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「おい。答えろ。」
「…っ、俺も詳しいことまではわかりませんが、圭介様とあの人は同い年です。そして、あなた様が生徒会長。圭介様はあなた様の弟。あの人は新生徒会長。どちらも、家柄的にはSランク。
ここまで揃っていて、付き合いのない方が不自然だと思いませんか?」
言われてみればそうだ。
俺は親が死んで社長としての仕事もあったし、もともと周りに興味がなくて表面上の付き合いしかしていない俺とは違う。
もともと寂しがりやな、友達の多い、コミュニケーション能力の高い圭介のことだ。
寧ろ、圭介の方からアプローチをかけていたとておかしくはない。
「それだけじゃないですよ?
こないだ、圭介様が優を堕とすために使った駒。こないだまでここで働いていた執事の田中。
なんで急にあんなことをしでかしたんだと思います?
あの人があの駒に、ああいう結果になるような情報を吹き込んだんですよ。」
つまり、あいつがこれまで優が辛い思いをしてきたことの、主な元凶ってわけか。
執事にされたことも、その指示を出していたと思っていた圭介のやったことも、こいつのせいで呼吸困難になったことも……。
…………まて。
「おい、今、優は霧ヶ峰のところにいるんだろ?
それで、これまでのことの黒幕はあいつだったんだよな。
ってことは…っ。」
「そうですよ。
なんのために交換なんてあの人が言い出したのかわからないですけど、少なくとも、あの人が考え、提案し、あなたに助言した張本人であるということは、時政宗様にとっては、芳しくない状況であると思います。」
「なんでお前はっ!!」
「俺、最初にいいましたよね。
優を守れって。」
俺は目の前にいる彼のことをもそのままに、霧ヶ峰の屋敷へと向かった。
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