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95 優side
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『奴隷の一時交換』
これが何を意味するのか、奴隷など、その道に疎い京介様なら知らなくても無理はないが、僕や69番さんにはわかっただろう。
『既に所有している奴隷の見定め』
つまり、飽きたりいらなくなった奴隷を買い手どうしで取引するためのこと。
霧ヶ峰様からのご提案だったとて、京介様もそれを了承された。
この事実が、すごく大きい。
つまるところ、僕のことはもう手放す気でいるんだということを、周りに示すことになる。
…結局、またいらない子に逆戻り。
やっぱり、京介様にも希望や期待なんて抱かずに69番さんがいっていた通りに、最初から絶望して諦めていればよかったんだと、今更ながらに悔いたところでもう遅い。
見定めをした以上、僕がまた京介様のところへ戻れるとは思えないし、僕の中のユウがそれを許すとも思えない。
霧ヶ峰様もいらないといったら、僕はまた一夜限りの仕事をさせられるんだろうか。
それとも、今度こそ廃棄処分になってしまうんだろうか…。
そういえば、最初にユウの存在に気付いたのっていつだったっけ。
圭介様に、京介様に会うことがないように僕専属の執事兼お世話がかりという名の見張りをつけられて、しばらくの間、その人としかいなかったから特になにかがおかしいなんて思いもしなかった。
また、僕は京介様にいらないと判断されて、圭介様の新しい玩具になったから、新しいご主人様は圭介様。
その判断も間違っていなかったはず。
いつからだろう。
何かが違うと感じ始めたのは。
眠っていないのに、意識が混濁していることが増えて、自分の記憶もあやふやになってきたのは。
なにもない暗い場所で、もう一人のユウが僕を抱きしめてくれる夢を見るようになったのは。
ユウのいう「大丈夫」がひどく心地よくて、その言葉を聞いたら意識が遠のいていくような気だするようになったのは。
いつからだったんだろうか。
自分が二重人格だと気付いたのは。
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