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100 優&ユウside
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『優。だなんて、滑稽な名前なんだろうね。
京介様も粋なことするよね〜、優しい、だなんてさ。』
『ユウ。久しぶりだね。』
『まあね、僕もちょくちょく京介様には会ってたけど、あんまり会うと、僕が僕じゃなくて、僕だってことがバレるかもしれなかったからね。』
『ねえユウ。僕は、一体どうしたらいいのかな。
これまで奴隷として生きてきた僕が、決めることなんてできるのかな。
そもそも、僕はなんのためにのうのうと生きてるんだろう…。』
『優。僕が代わりに優の本音をご主人様に話してもいいよ?
それが僕が生まれた理由だからね。
君が人間としての自尊感情がなくなったと同時になくなった、自分。それがわからなくなったから、僕を作り出したんでしょ?
二重人格になってまでさ。
でもね、僕は優が失った優自身を取り戻すことが役目、それが僕の存在理由。
じゃあ、優は?
なんのために生きてるの?』
『僕、はっ、…いやっ!考えたくない!!
ユウがいれば、僕はいらいない!!僕なんていなくたってっ、』
『優。落ち着いて。所詮は僕は優が壊れないように作り出した人格なんだ。
僕がいればいいなんてことはないし、僕がいる限り優には身体的にも精神的に優が思っている以上に負担になってるんだよ?
僕は、いずれ消えなくちゃならない。
でも、それは優が一人でも大丈夫って思わないと僕も消えられない。
よく思い出してみて、優。
優の記憶は、いつも自分のいいように構築されてる。
都合よく書き換えられてる。
優の心を守るためにはそれも仕方なかったのかなって思ってるけど、それでも、僕が優としていろんな人に会って、優の記憶をたどったときね、思ったんだ。
優は、このままじゃダメ。
ちゃんと、優をずっと見てくれてる人がいる。
優のことを本当に持ってくれてる人がいる。
優を人として扱おうとしてくれてる人が、ちゃんといる。
だから、優、優の思いを言ってみて?』
『僕は、僕は…、僕の、思いは、』
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