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いち
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俺とまさは小学校からの付き合い。
小4の時に、まさが俺の家の隣のマンションに越してきた。
結構上の階だから虫が来ないって言ってた。
北海道育ちで、黒光りするアレを見たことが無いから見てみたいとも言ってた(俺は全力で止めた)
その時からものすげー静かな性格だったし、身長も高かった。
まさと遊ぶようになったのは学校に転校してきた時。
弟の歩もよく一緒だった。
左目に眼帯をしてるからか、走るとたまにこけた。
なんたら異色症だから人に見せたくないらしい。
だから左側から脅かすと、面白いぐらいに驚いて(ぴゃあって言ってた気がする)まさの後ろに隠れた。
たまに、俺がまさのマンション、まさが俺の家に泊まる事があった(歩も付いてきた)
俺の家に初めて泊まった時のまさの第一声が「ゴキ○リいるか?」だった。
取り合えず俺は殴っといた。
中3の時、受験シーズンにもなって俺は特に行きたい高校が決まってなかった。
まさも決まってなかったらしい。
取り合えず自分の学力に合った高校を探した。
俺は偏差値が中ぐらい、まさは上ぐらいだった(少し腹が立った)
家が近いからっていう理由で、二人で同じ高校を受験して受かった。
その学校には特進科があったんだけど、まさは「めんどくさい」って言って普通科を受けた。
特進科って勉強一筋のイメージあるもんな。
そういや、中学の時点で身長が180を越えたらしい。
入学してから一年、なんやかんやでまさとはいつも一緒にいる。
むしろ一緒にいることの方が当たり前になってきてるような気がした。
まさはどう思ってるかわかんねーけど。
藤木「…………」
須藤「どうした」
藤木「いや、今日って雲がねーよな」
須藤「昨日は風が強かったからな」
藤木「そうだったな」
須藤「で、あのあと見つかったのか?飛んで行った野口さん」
藤木「無理だった」
須藤「だろうな」
昼休み、俺とまさは屋上でのんびりしてた。
高2って中2みたいに何もやること無いんだな。
俺は購買で勝ち取った焼きそばパン(めっちゃ美味い)、まさは自分で作った弁当だった(これもめっちゃ美味い)
藤木「シガレットってそんなに美味くないよな」
須藤「まだ持ってたのか、斉藤先輩から貰ったやつ。もう三日目だぞ」
藤木「好きでもないのを貰われても迷惑だけどな」
須藤「俺も一本貰っていいか?」
藤木「俺が今食ってるのが最後のやつだよ」
須藤「そうか」
藤木「でも正直飽きたし、やる」
口にくわえてたシガレットをまさに渡す。
まさが少し固まったような気がした。
無表情だからリアクションが分かりづらい。
須藤「お前…せめて折るとかさ…」
藤木「は?なんで?」
須藤「なんでって…」
藤木「俺は別に気にしないけど」
須藤「俺が気にしてるから言ってるんだけど」
まさがなかなか受け取ろうとしないので無理矢理口に押し込んだ。
こいつは潔癖症でも無いのに、俺が口つけた所を気にする細かいやつだった。
弟のは平気なのに何で俺のは駄目なんだよコノヤロウ。
仕方なくと言った表情で、まさはシガレットをポリポリ食べた。
須藤「あ、ふぉいへはふひひっへは」
藤木「食いながら喋るなよ」
須藤「………」
シガレットを食べ終えてまさは再び聞いてきた。
須藤「藤木ってさ、彼女いるのか?」
藤木「ぶっ」
ビックリして思わず吹いた。
そんなこと聞かれたの初めてだから。
藤木「え、なに突然」
須藤「この前、斉藤先輩がしつこ…粘り強く聞いてきてさ」
今、しつこくって言おうとしたな。
しかもネガティブをポジティブに置き換えただけで意味は変わってないし。
須藤「『ふじふじって綺麗な顔してるし、彼女の一人や二人や三人とかいそうだよねー』って面白そうに言ってた」
あいつ今度シバく。
てか何股してるんだよそれ。
藤木「…いねーよ。何年も一緒にいるんだ、彼女が出来たらお前だって分かるだろ」
須藤「あー、聞き方変える。好きな人はいるのか?」
藤木「好き…?」
なんか今日は珍しいこと聞いてくるな。
どんだけあいつにしつこく迫られたんだ。
藤木「お前がそんな話題をするの珍しいな。なに?そんなにしつこかったの?」
須藤「うーん…本当は秘密だったんだけどな…」
まさは首をひねり、観念したように言った。
須藤「この前さ、藤木が先生に呼び出されたことがあったべ」
藤木「あぁ…なんか資料を運ぶのを手伝えとかでな…」
須藤「その時、名前忘れたけど多分同じクラスの女子に話しかけられてさ」
待て、名前は重要だぞ。
須藤「『藤木君って彼女いるのかな…?』って聞かれた。知らないから聞いておくって言った」
いつも思うけど、こいつ声真似する気ないから棒読みなんだよな…じゃなくて。
藤木「なぁ、それって先週のことじゃね?」
須藤「今思い出した」
藤木「お前最低だな!?」
須藤「めんご」
まったく反省していない顔で謝られた。
好きな人か…
チラリとまさを見る。
まさは不思議そうな顔をして首を傾げた。
須藤「とうや…?」
藤木「~~っ!?」
不意に名前を呼ばれて顔が赤くなるのが分かった。
藤木「し、知るかっ!!」
須藤「いて」
まさの頭を思いきり叩いて、顔を隠す為にまさに背を向けた。
後ろからまさが「なして殴るんだ…」と文句を言っていた。
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