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さん
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放課後。
藤木「今日の日本史の授業、よく分かんなかったな」
須藤「いや、結構面白かった」
藤木「マジかよ」
俺とまさは小学校の頃から使ってた道を通って下校していた。
この道を使うと遠回りになるんだけど、その方がまさとたくさん話せるからな。
…別に早く別れるのが寂しいわけじゃないんだけど。
てか、まさがこの道を使おうって言ってきたから使ってるだけだし。
須藤「この間さ、久しぶりにクッキーを焼いたんだけど」
藤木「マジか、ありがとう」
須藤「なして貰う前提なのかな…そもそも持ってきてないし」
藤木「なーんだ」
須藤「持ってきてないというか、持ってこれないというか…」
まさが言いにくそうな顔をした。
なんとなく予想はついてるけど。
須藤「オーブンの時間を間違えて、ちょっち焦げた…」
藤木「ちょっち?」
須藤「ちょっち」
まさの北海道弁は面白いからたまに真似する。
じゃなくて。
藤木「ちょっとってどれくらい?」
須藤「端のほう」
そのぐらいで気にして持ってこないのか。
こだわりなのかな。
藤木「なんだ、そんぐらいなら俺平気だよ。明日…あ、今から食べに行っていいか?」
須藤「俺が気にするから嫌だ。ちょっちとは言え失敗だし…失敗したものを食べさせたくないし…」
なかなか頑固なやつだな。
まさの作るものは何でも美味いのに。
藤木「失敗したやつでもいいから、まさの作ったやつは食いたいな」
まさが驚いた顔でこっちを見た。
そしたら片手で顔を覆ってそっぽを向いた。
藤木「まさー?」
須藤「…見るな」
俺が覗きこもうとすると、まさはプイッと顔を背けようとする。
よく見ると耳が赤い。
そういや、こいつが顔を隠すのって…
藤木「もしかして、照れてる?」
須藤「………」
ますます顔を背けた。
思わず顔がにやける、なにこいつ、可愛い。
藤木「まーさー」
にやにやしながらまさの肩に腕を置いて、頬を指でつつく。
こいつの頬、意外に柔らかい。
藤木「俺が食いたいって言ってるんだから、いいよな?行っても」
まさが片目の部分だけ手をどかして俺を見た。
須藤「…馬鹿」
小声で何か言ってるけど、低いし小さぎて聞こえないふりをした。
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