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第10話
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蒼さんが磯辺巻きを、大きく開けた口の中に入れる。俺もみたらし団子を口に入れて、一個を串から抜いて頬張った。
もちもちの団子が歯応えがあって、ほんのりと甘くって、とろりとしたタレとすっごく合う。
「うー、美味しい!美味しい!」
はわわっ。ほっぺが落ちる!もぐもぐと飲み込んで、もう一個を頬張る。さわさわと、頭を撫でられた。
横を見れば、目を細めた蒼さんが大きな手を動かしてる。優しく見つめられて、何だかドキドキと恥ずかしい。もぐもぐと食べ進める。
「あ、磯辺巻きはどうだった、甘味も少ないから大丈夫だと思うんだけど。」
「うん。海苔がパリパリで美味かった。」
「よかった!」
前に食べた時、俺も海苔がパリパリで美味しいって思ったんだ。蒼さんが食べれる和菓子があって良かった。
長い指が団子を乗せてた皿を重ねて、湯飲みと一緒に片付けようとする。
「俺がやるからいいよ。」
「手伝う、」
二人で狭い台所に立つ、
「蒼さんは、いつからピアノを習ってたの?」
皿を洗って、隣りで拭いてくれる蒼さんへ渡す。
「うーん、気が付いたら弾いてたから…。いつからだろう。」
「へえ。すごいね!あんなに弾けたら、気持ちいいだろうなあ…素敵だった。」
「そっかな。でも、最近サボってたからあんまし指が動かなかった。」
「ええっ?全然分かんなかったよ。あれで指が動いてないなら、俺なんか指が何本あっても足りないよ。」
「はは。」
蒼さんが楽しそうに笑う。
「また、いつかピアノを弾いてくれる?」
「うん。」
俺も少しはクラシックを聴いて勉強しようかな。今度はリクエスト出来るように。
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