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第28話
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蒼さんが、口元をばっと抑えた。え?何、笑いを堪えてるの?約束は?
「か、」
「か?」
「かっわいいっ!」
「え?」
「何で、何で、髪の毛ふわふわクルクルってしてんの。あ、パーマかけてたとか?しかもピンで前髪留めてるし!このピン何だろ…ピンクの花の飾り?」
目が輝く。いつに無くはしゃいでる。…ものすごい嬉しそうに言ってくるけど…、
「うん。…本当は天パなんだ。今は縮毛矯正かけてるから真っ直ぐだけど。あと、ピンは好きで留めてた訳じゃないからね!クラスの女子が髪の毛邪魔だろうからって毎日留めてくれてたから、その日も外すの忘れちゃって…。」
写真撮った時に誰も何も言わないから、アルバム貰うまでやらかしてたの気付いてなかったんだよ。
それに、俺はクルクルでコシのないふわふわの髪の毛嫌いだし、この花ピン付きの写真は本当闇に葬りたい。もう、忘れたい。
「何でそんな嫌そうにすんの。」
「だって、この写真の所為で、女の子の友達から男の人紹介されたりしたから…。」
アルバム見て紹介してくれってうるさくてさ〜って、何人かの友達に言われて。断れるのは断って、それでも10人位の男の人と会った…大学時代の悲しい思い出。
「あー。…これは、俺も紹介してくれって言うな、」
「酷い、からかわないでよ。」
ちょっとムッとして隣の彼を睨んだ。確かに笑わないって約束は守ってくれたけど、
「からかってないって!本当に可愛いし、この頃の和が側に居たら、やっぱり俺は一目惚れして付き合いたいって思うだろうから…そう言っただけでさ、」
「この頃の方が好きって事?」
「違くて、この頃も今も和だから、和じゃないと駄目だからっ!」
必死に言い募る彼は珍しく饒舌で…。このちょっと慌てた感じが、普段はあんまり見れない表情で、なんか…愛らしい。
「ははっ。蒼さん、可愛い。」
「いやいや、可愛いのは和の方だからな。」
そう言って、頬にチュってキスされた。
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