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第44話
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炊きたてのご飯って熱い!
「っあつ!」
「大丈夫か?もうちょっと冷ましてから握ろう、」
「うん。」
今は朝食兼昼食を作ってる最中。昨日は目を回したりとか色々あって寝るのが遅かったから、当然朝も起きるのが遅かった。
「味噌汁は出来たし。和食っぽいおかずは…魚の南蛮漬け食べれる?あと、浅漬けもある。」
「うん、両方とも食べれるよ。南蛮漬け久し振り…魚大好きだよ!」
「なら出しとく。」
皿に盛るのを手伝う。蒼さんは器用で、魚の上にパプリカとか玉ねぎとかを彩り良く配置する。浅漬けを小鉢に入れてた手を止めて見惚れる。瑆司さんもそうなんだけど、指の動きが繊細。
「どうかしたか?」
「あ、ううん。すごく綺麗に入れてるから見惚れてた。器用でいいなぁ。」
「ははっ。そんなに言われる程器用じゃないけど。こっち終わったらおにぎり握ろう。」
「うん。」
「味噌汁美味しーい!蒼さん、ありがとう。」
「おにぎりも美味いよ。和、ありがとう。」
顔を見合わせて微笑む。俺たちは、またラグの上に座って並んで食べてる。日曜日のお昼は、のどかでのんびり。
「南蛮漬けも浅漬けも美味しい。家政婦さんって凄いね。」
「あー。うちの家政婦さんって、年配の人でさ和食が得意なんだ。洋食も美味いけどさ、」
「へえ。ベテランなんだね。」
「うん、よくして貰ってる。」
家政婦さんかあ。俺は草部家に間借りするまで、ずいぶん家事で苦労してた。実家の母親のありがたみが分かったのも一人暮らししてから。
「蒼さんは偉いね。高校生なのに、ちゃんと感謝できてるもん。俺よりずっとしっかりしてる。」
「そっかな?そんなにしっかりしてないけど。以前はハメ外し過ぎてたから、最近は真面目に生活してるだけでさ。」
「そう言えば、スマホの件どうだった?」
「今度のテストでいい点取ったら買い直してくれるって。」
そう、彼はまだ携帯無しで生活してる。本人が言うには、俺とは草部屋で会えるし特に困ってないって。ただ、いつでもメールとかでやり取りしたいから必要だって。
「そっか、じゃあ頑張らないとだね。会うの控えようか?」
「いや、それはない。会わないと、いい点取れない。」
「ふふ、何それ。普通逆でしょ?勉強時間が減っちゃうよ。」
「集中力の問題。だらだら長時間より、集中して短時間。その為には、精神的な安定が必要。」
「精神的な安定…。」
なるほど…、俺は蒼さんと居ると幸せでとっても満たされる。彼もそう思ってくれてる?
「俺の安定剤は和。だから、また明日も会いに行く。」
「ありがとう。俺の安定剤は蒼さんだよ。」
目が細くなる、猫の目。
「あとビタミン剤だな。」
「本当だ、元気になるね。」
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