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第47話
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さわさわって…くすぐったい。んー?手の平で払う。
さわさわ、
「もう…、」
寝てるのに…あ…また。手の平で前髪の近くを払った。硬い物に当たる。
パシャ、
「…なに、」
はっとして目を開ける。隣に寝てた彼がスマホをこっちへ向けてる。
パシャ、
「…ん……写真?」
やっと目が覚めた。草部屋の休みの日曜日、10月になった近頃は冷房も要らなくなった。
「…寝顔とか寝起きはなるべくやめてよ。すごい変でしょ。」
「可愛いけど。」
「えー?」
慌てて顔を探る。よだれとか出てそう…、もしかしたら白眼で寝てたかもしれない…。ううっ、不安になってきた…。
「さっきの写真見せて。」
「……消さないって約束するならいいけど、」
「え!やっぱり変な写真なの?」
「違う、可愛い写真。」
ほら、ってスマホを見せてくれる。寝てる俺の写真…良かった、よだれも出てないし白眼でもない。…ん?あれ?なんで?
慌てて前髪を触ると、やっぱりある!外して手に取る…スマホの画像と同じ形。あ、さっき、さわさわってしてたのってこれ付けてたのか!
「…蒼さん、このピンなに。」
青い星の形、キラキラしてる。綺麗で可愛いけど、でもさ…からかってる?
「プレゼント。」
猫の様な笑顔…すっごい嬉しそう。悪意が無いのは分かったけど、
「もう。ピンとか要らないって言ったのに、」
「でも、不便だろ?いっつも前髪を邪魔そうに払ってるし。」
「う、」
確かにそうだけど。でもさ…そもそも、縮毛矯正したいって言ってる俺の事を全力で止めてる人が居るからこうなったんだよ。
「それに、このピン似合ってるしさ。あ、他にもあるから見る?いいのを見つけたんだ。」
「…他にもあるの。」
さっとベッドから降りて、机の上にある小さな袋を持ってくる。またベッドに乗って、バッと袋をひっくり返し中身を出した。
「…ねえ、何でこんなにたくさんあるの?」
「似合うと思うの全部買ったら、こうなっただけ。」
キラキラストーンとかリボン、花飾りのついた可愛いのとか…色は黒とか茶色だけど、どう見ても女の子の物。
他には…んーと、なんだろこれ。立体的な…みたらし団子?他にも、柏餅、どら焼き。
「すごいね!小さな和菓子がくっ付いてる!可愛い!」
「な、これいいだろ。仕事にどうかと思って。」
「…ありがとう。」
もう、受け取る事にした。
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