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第48話
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「和君、それ可愛いね。何処で買ったの?」
瑆司さんがみたらし団子のピンを指差す。
「えーと。貰い物なので、分からなくて。」
「そっか、でも似合ってるね。和菓子屋にはぴったりだよ。」
「はい。面白いですよね。」
さっき、お母さんにも褒められた。私も付けてみたいわ、って微笑まれたから後で蒼さんに売ってるお店を聞いて買いに行くつもり。
「いらっしゃいませ。」
「こんにちは。…あれ、ちっちゃいお団子が頭に付いてる。それピン?」
「あ、はい。前髪が邪魔なので留めてるんです。」
最近たまに来てくれるお客様。和菓子屋に女子高生って珍しいし、カーディガンの胸の部分にMの飾り文字。蒼さんと同じ学校の子。
「そっかあ、可愛い。それってどこに売ってるの。」
「済みません、貰い物なので知らなくって。あの、今度来られた時に教えますね。」
「うん。あ、今日はみたらし団子を3本。そのピン見てたら食べたくなっちゃった。」
指を3本立てて、笑顔で言われる。高校何年生かな。蒼さんの同級生かもしれないな。
「はい。」
今日は同じ様な理由で、みたらし団子が売れてる。元々みたらし団子は人気商品だから多く用意してあったけど、もう最後の3本。それをショーケースから取り出してパックに入れた。
「お母さん、これどうぞ。」
昨日、蒼さんに連れて行ってもらったアクセサリーのお店。何だか女の子が多くて入りづらかった…彼は平然としてたけど。そこで頑張って、目的の和菓子ピンを買って来た。
「あら!和君とお揃いね。ふふ嬉しい、ありがとう。」
「いいえ。いつもお世話になってるので、大した物ではないですが。」
「そんなの気にしないでいいのに。今日は和君と合わせて、私もどら焼きにしよう。」
2人で同じピンを留める、お母さんは可愛らしい。
「似合ってますね、どら焼き。」
「ふふ、和君も。」
顔を見合わせて笑う。とっても喜んでくれてる、プレゼントして良かったな。
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