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第57話
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蒼さんは、約束を守ってくれた。仕事が終わった俺を連れて、一緒に向かった美容室は駅前にある店だった。
「蒼さん、格好いいね。」
俺の隣、リビングのソファーに座った蒼さんは、サイドは短くてトップは少し長め。最初に会った時の、バリアートが入ってないバージョンの様な髪型。背が高いし、すらっとしてるし…本当に格好いい。いいな、いいなぁ。
「…和は可愛いな、ふわふわしてる。」
「……それ、褒めてる?」
「うん。最大級に。」
なんか、天パ活かしてマッシュにするねって謎の言葉で切られた。短くなったし、まあ…満足はしてる。
本当は縮毛矯正したかったけど、彼がずっと監視してるんだもん。美容師さんにも先手打って、縮毛矯正は駄目って釘刺してたし。でも、短くするのは許してくれた。
「なんか飲む?」
明日は第2日曜日。美容室の帰りに蒼さんの家へ来てる、今日はこのまま泊まる予定。
「ホットココア。」
「マシュマロ入れる?」
「うんっ。」
キッチンに立つ彼について行って、ホットコーヒーとホットココアを用意してくれる手元を見つめる。
「どうした、」
「えへへ、蒼さんの作ってくれるココアって美味しいから、作り方見とこうと思って。」」
「粉を少しのお湯で溶かして、牛乳入れて、レンジで温めるだけだけど?」
「でも美味しいよ。」
彼は首を傾げてる。俺が不器用だからかな、蒼さんの作る料理とか飲み物はとっても美味しい。
チン!
ココアが温まった。俺が取り出そうとしたら、背後からすっと手が伸びて無造作にカップを掴んで運ぶ。長い腕、そこから続く長い指。目で追うと、湯気を引きながら作業台の上に着陸した。
「この前、こんなの見つけて買ってみた。」
彼が手にしてるのはモコモコのハートが詰まった袋。薄いピンクとホワイトのマシュマロだ。
「可愛いねぇ。マシュマロ大好き。」
袋を開けてぽいぽい。2個のハートが浮かぶ。
「俺の気持ちを入れてみた。」
あ!
「ね、美味しいのは…気持ちが込められてるからだね。」
「ああ、そうかも。」
うふふ、大発見。彼の目が優しく細まる。マシュマロよりも大好きな笑顔。
ちゅ、ちゅ、ちゅ、
3連続のキスが来た、頬がくすぐったい。屈んだ彼の首に腕を回して引き寄せる、近付くと彼の瞳が閉じた。
短いまつ毛…ドキドキしながら、唇に触れる寸前で俺も目を閉じる。
ちゅ、
柔らかな唇は、ココアに入れたマシュマロみたいにとろけた。
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