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第59話
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「痒いところはある?」
「特に無い、」
モコモコの泡で包まれる蒼さんの髪。地肌を指の腹で丁寧にマッサージする様に洗う、今日切ったばかりだから短くて洗いやすい。
「流すよ、」
「うん、」
シャワーを出して温度を確認してから、シャンプーの泡を流す。ぺたりと張り付く髪の毛から完全に泡を取り除いて、シャワーを止めた。
「終わったよ。」
「有難う。」
立ち上がって、長い指が顔に張り付いた髪から水滴を払う様に掻き上げる、一瞬オールバックになって幾つかの毛束が額に落ちた。格好良い…、ちょっと蒼さん、格好良いよ!
「交代。和、座って、」
見惚れてぼうっとしてた。
「うん。」
入れ替わりで浴室用の小さな椅子に座ると、彼が背後に立つ。
「シャワーかけるから、」
「はーい。」
ザーッと髪にお湯が掛かる。髪の毛が水圧に押されてお湯と一緒に顔へ流れた。シャワーが止まる、顔から水を払って蒼さんの動きを目で追った。シャンプーを手の平で泡立ててる。
「目閉じて、洗うから。」
「お願いします、」
見えないけど、彼の指の腹が地肌に触れる。俺とは違う洗い方、サイドの髪を掻き上げる様に指が動く。
「気持ちいい、」
「そっか、良かった。どっか痒いところあるか?」
「ううん、大丈夫。」
美容室でも洗って貰ったから、痒いところは無い…痒くは無いけど。優しく触れられる、この感じが何だかくすぐったい。
「うふふ、」
「何笑ってんの、」
「幸せでくすぐったいの、」
「はは。幸せって、くすぐったいのか。」
残念。きっと今、彼は目を細めて猫の様に笑ってる。目を閉じてるから見れない。
「蒼さん、そろそろ流して下さい。」
「分かった、」
泡が流されて顔や体を滑る、指先が髪の間を梳く。
「終了。」
「ありがとう。」
さっきの格好良い彼の仕草を真似して手で髪の毛を払おうとしたら、ふわふわのタオルで顔と髪を拭かれた。
「可愛い、」
「蒼さんは格好良いよ、」
「どうも、」
赤くなる頬。照れてる彼は可愛い。
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