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第72話
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「わっ!ごめんね、気持ち悪いでしょ。綺麗にしなきゃ。」
慌ててボックスティッシュを掴んで、彼の手の平を拭う。ぅう、恥ずかしい…今、きっと真っ赤になってると思う。
「大丈夫。気持ち悪いとか全然思ってない。むしろ、嬉しいけど。」
落ち着いた声にハッとする。成長途中のスラリとした首と、襟元から少しだけ覗く鎖骨。伸びやかな彼は、猫の様に笑う素敵な人。
ああ…今の彼は、これから大人へと成長していく途中の一瞬の姿。
「……あ。」
恥ずかしさとか、まだ下着も履いてない事とか…そんなのより、もっと重要な事に今頃気付いた。
「あの、…あのね。…すごく頼りないし、弱くても俺は…大人なの、一応。」
「うん、知ってる。」
彼は高校生で、俺よりも年下で、未成年で、庇護されるべき立場の子だ。
なのに、なのに…さっき、欲情しちゃった…。いや、付き合ってるし、好きなんだからそれは当然感じる事だけど、でも…。
「蒼さん、やっぱりこういう行為は高校を卒業してからだと思うんです。」
「はあ?」
ポカンとしてる彼。拭いたばかりの大きな手の平を、キュッと両手で包んだ。俺の手は小さくて、全部は包みきれない。長い指先がはみ出してる。
「…さっきね、蒼さんに欲情して感じちゃったの。」
「えっ!」
嬉しそうに弾む声。
でも、俺は罪悪感で一杯になってしまった。自然と眉根が寄る、何だか泣きたくなってきた。もう、どうしよう!
「大人なのに、高校生にそんな事考えてしまうとか駄目だよね…。手を出したら、犯罪でしょ?」
「え?は?いや、いや、いや!どっちかっつーと、見た目とか役的に俺のが犯罪者だろ。和は受ける方だし。」
受ける方??ん?何?
「それに、16歳から18歳の間は本人の同意が有ればいいんだし。」
「えええっ。そうなの?」
そんな事、知らなかった。
「うん。だから、俺たちには何の問題も無い。」
「そっかぁ…。良かった。」
ホッとしたら気が抜けた。へにゃりと力が抜けて、笑った拍子にちょっとだけ涙が出た。
「和、可愛い。」
ちゅ、ちゅ、ちゅ、ちゅ、ちゅ、
「んぅ、くすぐったいよ。」
顔とか首にあちこちキスされる。
ちゅっ、
下腹にキスされて、びっくりして身を引こうとしたら、ベッドの上にまた押し倒された。
「欲情したなら、ついでにもう少し進もう。」
「えっ、」
「ここを、少しだけ触らせて。」
ん?思わぬところに指先が軽く触れた。ちょっと待って!
「な、何で、そこなの…、」
そこは、ちょっと…いや、かなり、ハードル高いです。無理っぽいよ蒼さん!
「だって、少しずつ慣らさないと。和は身体が小さいから、本番までに何度かやっとかないと無茶させそうだし。」
「な、ならす?」
分かんないよ、ならす??
「だって、男同士はここを使うから、」
ピシリ、
今、なんか、頭のどこかにヒビが…。
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