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変化 草野side
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陸斗さんはそれでも、俺の反応を楽しむかのように続けた
「壱くんは本当に心の底から浩のこと愛してるのかなぁと思って、ね?」
「俺にはそう見えますけど…」
陸斗さんはなんだかんだで、鋭い人間だ
洞察力にかなり長けている
だから俺の胸は少しざわついた
「陸斗さんはどう思ってるんですか、」
俺の質問が意外だったのか、驚いているように見えた
「んー、そうだねぇ、浩の悪い癖が出ないと良いなって思ってるかな」
「悪い癖…?」
「そう、悪い癖。まぁ、啓太がいるし、その心配はしなくていいんじゃない?もしもの時は俺が知らせてあげるよ。あ、今日は啓太に会うと思わなかったからさ、煙草持って来てないよ?」
その言葉と態度は、これ以上は教えないと言っている様だった
「ああ、いえ、それは構わないですけど」
「啓太って、今どきの高校生って感じだから煙草とかそこまで似合わないね、どこでこんなの覚えたの?やっぱり友達?」
「ええ、壱ですね」
「へぇ?ほんと?あんな可愛い子が?もっと似合わない。あ、でも最近はそういうギャップがいいらしいねぇ」
まさに、そう
以前、中学の卒業式のあと打ち上げで行った店で突然、壱が煙草を吸い始めた事がある
俺もかなり驚いたが、他のやつらの壱へ向ける眼差しはどこか違っていた
あどけなさが残る顔だが、中学生にしては少し落ち着いている雰囲気
なぜか妙にマッチしていて、引き寄せられる様だったと、そこにいた多くが言っていた
「ああ、でも菅井さんには内緒にしててください。今も壱は禁煙中なので」
「もちろん、じゃあいい事も聞けたし、あの2人の邪魔もできなさそうだし、帰るね~!じゃあね、啓太、またね?」
陸斗さんの背後を見送る
「何しに来たんだ、あの人…」
呟いた言葉はすぅっと薄暗い空に消えていった
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