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失態 (潤一side)
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「やっべ…」
ホイッスル直前にゴールに向かって蹴ったボールはゴールポストに跳ね返り、外れた。
たかだか授業の練習試合だけど、すぐ熱くなる俺は負けが悔しくて、最後に入らなかった足元のボールを憎々しげに思い切り蹴った。
…運悪くそれが人に当たってしまったのだ…
倒れたまま動かない男子のもとに駆けつけると、失神している彼はクラスメートの望月葵だった。
友達なら笑って流せるとこだけど、これは笑えないな…
「ごらぁ、潤一ぃ!何やっとんじゃあ!!」
後ろから小田先生、通称小田センの野太い声がした。
「わざとじゃないっすよ!まさか人に当たるとは…」
「なんでもいいから望月を保健室に運べ!」
「へーい…」
倒れてる人を背中に乗せるのは体勢的に難しいと思い、首と膝の裏に手を入れる。
まさか初めてお姫様抱っこする相手が男だとは…
よっと力を入れて持ち上げるが、その身体は想定していた重さよりもずっと軽くて、思わず落としそうになった。
何これ、ホントに同い年?
確かに身長もそんなに高くないけど、こんなに軽いのってあり得るもんか?
顔を覗いてみると随分と青い顔をしていたので、細い身体を抱き直して急いで保健室に向かった。
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