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"夢だったんじゃないか"
少しでもそう思えたら、まだ良かったのかもしれない。
目を覚ました時の自分の有り様はそんな逃げ道さえも塞いでしまうものだった。
まず鼻に付く精液の匂いと、ベタつく全身に眉を寄せる。
「うっ…」
固い畳から立ち上がると腰に酷い痛みが走り、喉から声が漏れた。
重たい体をふらつく足で支えながら、壁を伝って風呂場に向かう。
ふと部屋を見回すと、一条は布団に入って寝ていた。眠っているのに、彼を見つけた瞬間体が硬直した。
そこにあるのは、紛れも無い恐怖…
音を立てないようにそっと洗面所の扉を開ける。
風呂場に入ると真っ先に目に入るのは鏡だった。
そこに映る自分の姿はただただ汚いもので、思わず目を背ける。
乾いた精液まみれの肌。
顔にはドアで切った額の傷から流れた血がこびり付いている。
爪を立てて固まった血とカサブタを剥がすと、止まっていた血がまた流れ出した。
それを止めようともせずに身体を洗い始める。
指先が後孔に触れると、ぞわりと鳥肌が立った。
気持ち悪い…気持ち悪い…
昨日中に出された感覚が思い出されて吐き気がする。
自分の中にまだあの男の精液があると思うと嫌悪感しかなくて、不快感に耐えながら震える指をそこに入れ、白濁としたものを掻き出した。
シャワーで水を入れ、汚れと共に出す。
中が切れているのか水が沁みたが、そんなことに構っていられない。
何度繰り返しても嫌悪感は消えず、疲労は溜まる一方だった。
ふと、視界が揺れた。
涙が、お湯と共に流れていく。
自分が泣いていると自覚すると、今の自分が余計に惨めに感じてしまう。
それが辛くて、胸がキリキリと痛んだ。
腕でグイッと目元を擦り、涙を止める。
一条の感触を消し去るように、何度も何度と強く体を擦って洗った。
僕が風呂から出ても、一条はまだ眠っていた。
顔を合わせたくない…
普段より大分早いが、彼が起きる前に家を出よう。
静かに制服に着替え、朝食も食べずにそそくさと家を出た。
11月の早朝の冷たい風が、泣いて少し蒸気した顔を冷ましてくれる。
今日が休刊日でよかった。
今自転車に乗って新聞配達はさすがに辛い。
目を覚ました時間的にも遅刻は確実だったし。
よかったよかった……
「……、くそっ…」
無理にポジティブな思考に持っていくが、体の痛みがそれを邪魔する。
唇を噛みながら、それでも何かから逃げるように、振り切るように早歩きで学校に向かった。
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