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なんだそういうことか。
こんな場面じゃなければ蒔田はポンと膝を打っていただろう。腑に落ちた、というのが正しい表現かもしれない。
蒔田の考えが正しければ、きっと。
目の前の人は、ずっと蒔田の言葉を待っていてくれたわけで。それもうやむやな言葉じゃなくて、―好きか嫌いかでいえば好き、とか。大事だとか―そんなんじゃなくて。
好きだ、と。蒔田の方からはっきりさせるのを待っていてくれたんだと、気づいたから。
蒔田はあらたまって、
「順番、間違ってすみません」
さっきのは、告白のことでもキスのことでもないとそう意思表示しながらもう一度謝った。もちろんそれが最重要なわけじゃないとは知っているけど。
正座だからというのもあって、いつにもましてかしこまってみえる蒔田は。改めて深山を正面から捉えて、さっきの告白を繰り返した。
「ミヤさん。好きです」
その蒔田の目が真剣で。何を伝えようとしているのがわかったのだろう。深山は目を逸らすのをやめて、あのいつもの上目遣いで、
「おせーよ」
オトコマエに、ふんぞり返って答えたのだった。
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