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蒔田が手にもったカレー皿を一枚、裏返して見ると。確かに、剥がそうとして剥がしきれなかった値札シールが破れて、少し残っていた。
「なんで、直接貼るんだろーな」
爪でこすったんだけど。深山がシールのことをさして言ってるのはわかる。
食器に直接貼ってあるシールは、どうやっても剥がしにくい。それは、わかる。わかるけれども。
「これ。買ったばかり?」
蒔田にとって重要なのはそこだ。
もし、なんて仮定しなくても。深山が今日のためにここにある2つずつの皿を買って、準備してくれてたなんて。
さっき、胸の奥にかすかな痛みを感じたところが、今度はじんわりした温かいもので満たされる。
「ちょ、」
皿を割らないように細心の注意を払って、だけど大急ぎで置いてから、深山を抱き締めた蒔田に、抱き締められた本人が慌てて声をあげた。
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