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夏の終わりの、クーラーの効かないワンルーム。そんなところで男二人が抱き合っているなんて。見た感じよりも何よりも、体感的にも暑苦しいことこの上ないのはわかっているけれど。
「ちょっとだけ」
蒔田は抱き締める力を強めて、深山の首筋に顔をうずめた。汗をかいてなくて、柔らかいボディソープの香りがして。前に、試合のときに後輩が言ってた「いい匂いがする」というのを思い出す。
「…お前のスイッチの意味がわかんね」
呆れたように深山はぼやいてから。蒔田の腰に両手を回した。何してんだ、とはねのけないのは、まがりなりにも恋人になれた証なんだろうか。
だけど、それはほんのしばらくで。たぶん別の我慢の限界がきたんだろう。
「あちぃー」
腰に回された腕は、あっけなくほどかれて。
それから。
「ハヤシライス、食べたいんだけど」
深山は少し遠慮がちに付け加えた。
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