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それから1ヶ月。
秋風が少しずつひんやりと感じられるころになっても。深山から連絡がくることはなく、もちろん蒔田の部屋にひょっこりと顔を出すこともなかった。
その間蒔田は、日々バイトと講義に明け暮れて。表面的には忙しい毎日を過ごしていた。ついこの間まではそれが当たり前の生活リズムだった、のに。
ときどき玄関でコンビニ袋を下げて待っててくれる人が、いるのといないのとでは、日常がこんなに違う。駅からの道、坂を上りきって、さらにアパートの階段を上って。もしかしたら、という期待を毎日抱いて。毎日空振りに終わる。
それでも。
蒔田はもんもんとしながらも。深山に自分から連絡をとろうとはしなかった。
―いや、できなかった。
あんな、啖呵をきってしまったのだから。
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