アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
4-31
-
「じゃあさ、マキ。ミヤちゃんがこっちに帰ってきてるって知ってる?」
「いえ…聞いてないすけど…」
いつ、なのか。どうして、なのか。
全く考えもつかない。盆の頃には、深山はあれほど帰省を嫌がっていたのに。
蒔田が歯切れ悪く答えると、「やっぱりかぁー!」と恐い先輩の柴田は影を潜めて、いつもの皆でワイワイやってる時の柴田になる。
「深山監督…ミヤちゃんのじーちゃんなんだけど、俺たちのリトルの元監督で…まぁ、それはおいといて。その人がここのとこ具合悪くてさ…」
初耳、のことだらけで混乱する。おじいさんのこととか、監督とか、全部。蒔田は、深山の口からは何も聞いたことがない。
「1ヶ月くらい前に危篤になってて、一昨日、亡くなったんだよね」
「で、葬式で会ったんだけど、元気なくてさ」
自分のじーちゃん亡くしてんだから、元気なくて当たり前だけどさ。そんだけじゃなくて、あんま長いこと帰省してるから。マキは知ってるのかって聞いたら、言ってないとか言うしさ!
「危篤になったのは、1ヶ月前、ですよね」
「そうそう、あー確か、祝日。秋分の日あたり!」
ドンピシャだった。
深山と、最後に別れた日。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
267 / 360