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「んー。じいちゃんは、大往生だったから」
少し遠いところを眺めるようにしながらも、深山は、あっさりとそう言った。
「年も年だし、繰り返してたらしいし」
深山が知らなかっただけで、入退院は年の始めから何度もしていたらしい。
それでも、身近で大事な人を亡くしたときに、年齢やそんなものは関係ないと思う。けれど、今の深山は、蒔田が驚くほど割りきれた顔をしている。
「ちゃんと、見送れたし」
そういう、ものだろうか。
蒔田自身は、物心がつく前に父方母方、双方の祖父母を亡くしているから、身近な人の死について、想像がつかない。
だから少しドライにも感じてしまう語りかたに、どう反応していいかわからず、困惑しながら深山の話を聞いていた。
「それも、マキのおかげなんだけど」
「え」
思わぬところで、自分の名前が呼ばれて。まさに降ってわいてきたようで驚く。
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