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「いいんじゃねーのって、答えといたけどさ」
なんで二人そろって、そういうの気にすんのかね?
「四十九日過ぎたら、あまり気にしないでいいし、穏やかに故人を思い出す時間を作ればいい」ってこの間どこかの坊さんがいってたぜー。
およそ、悩みの無さそうな声で、坊さんなんて罰当たりなことを言ってるけれど。結果として柴田からのこの情報は、蒔田の悩みをふっ飛ばしてくれた。
二人が「気にする」理由が、柴田の思うものと全くかけ離れていることは、もちろん伏せておいて、
「そう、なんですね!ありがとうございます!!」
悩みが解決しそうなことに礼を言うと。
それにしても。
と何かに気づいたように柴田が呟く。
「ミヤちゃんが、クリスマスを気にするなんて」
まさか、マキ。
ふいに呼び掛けられて、心臓が飛び跳ねる。まさか。二人の関係に、気づかれたりしたら。
けれど、柴田から出たのは拍子抜けするような疑問だった。
「…サンタクロースをいまだに信じてるとか、ないよね?」
「…ない、と思います」
内心、冷や汗をかきながら、蒔田は丁重に礼を言って電話を切った。
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