アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
1
-
ミヤさんと久しぶりに出会ったのは、高校の部活の先輩の結婚式の披露宴だった。
××××××××
着なれないスーツ。
来たことのない場所。
そして結婚式という非日常のシチュエーション。
(やべー。緊張するー)
蒔田達(マキタタツ)は、ホテルのロビーでスマホの画面を睨み付けていた。
祝儀袋を出すタイミングや、そもそもこの服装で場違いでないのかとか。判らないことが多過ぎて、会場のあるホテルでいまさら検索すること数分。
あれこれ迷うよりも他の参加者の真似をしたらいいんだという、グーグル先生もビックリな結論に達して、ようやく重い腰をあげたとき、会場に向かって足早に歩く人の姿を見つけた。
蒔田より少し背の低いその人は、蒔田のように迷う様子もなく会場となるホールの扉の前の受付へと向かっていく。
チャンス到来、と慌ててその後を追って祝儀を受付へと渡し、記帳台に並ぶように立った。
筆ペンで字を書くのも、めったにない。力んで書いた蒔田の名前は、もともときれいなほうではない字がさらに残念な仕上がりになってしまった。
書き上げてほぅと息をもらすと、先に書き終えた前の人の字が目に入った。
---深山遊人(ミヤマユウト)
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
1 / 360