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こうやって、思いがけずすぐそばで深山を眺めることになっても、思い出すのはあの日のあの試合。
どうしても、あの日の深山といまここにいる人が結び付かなくて不思議な気分になったけれど。
×××××
---四年前の暑い夏の日。
蒔田のいる東高と、深山のいる高校は、地方予選の準決勝で、ぶつかった。
県内の二強。事実上の決勝戦だという見方が一般的で。地元紙や地方局だけではなく、気の早い全国放送の番組からもスポーツキャスターがカメラを引き連れてやってきていた。
二年の蒔田はセンターで7番。東高は縦のラインが強い、と肩の強さを買われていた。バッティングは可もなく不可もなく、だろうか。長打力はそんなにないが大事なときで打つことも期待されていた、と思う。
対して、三年の深山はショートで二番。身のこなしが軽くて、バッティングもコンパクトにまとめてくる、そして何より足が早かった。一年のときからレギュラーで出てていて、たしか県での盗塁記録を更新してた。
何より、印象に残っているのは。
地方予選にも関わらず深山目当ての女の子のファンが山ほどいたこと。
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