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網棚からおろした引き出物の紙袋が二人分、蒔田の膝の上を占領して数分。その間。声をかけて、肩を叩いて、最終的には肘まで入れて、隣の人はようやく覚醒したらしい。
「マキ…あれ?…まだ?」
ガバッと上半身を起こした深山は、窓の外をキョロキョロ見て、たぶん見知った景色を確認したんだろう。
「え、マキ、乗り過ごしてない?」
「してません」
即答した蒔田はきっと、真顔だった。
「ミヤさん寝過ごして博多まで行きそうだったんで。付き添いです。この後在来線でバックします」
蒔田はちょっと意地悪く付け加える。
「あ、そうなの?…やっぱお酒飲んだらダメだ俺」
深山は目を擦りながら、寝すぎてコンタクトで痛いし、と続ける。
そういえば、少し目が赤い。それから深山と酒、というのがどうも蒔田の中でのイメージと合わなくて、驚く。酔ってたのか。
ちなみに、蒔田はようやっと成人して揚々とサークルの飲み会に参加した日に、初めて自分が下戸だとわかって意気消沈した記憶が新しい。今日の披露宴でも、グラスに口をつけはしたが、舐めるほども飲んでいない。
「そんなに飲んだんすか」
「あの、最初に出たやつ。ちょっと甘いの」
「だけで?」
「だけ」
まさかのシャンパン一杯。からの爆睡。
飲めない体質なのはお互い様なのに、蒔田は自分のことを棚にあげて吹き出した。
「よわっ」
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