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オカーサンついでに、明日の(日付はかわってるけど)朝食のために米をといでタイマーをセットしておく。冷蔵庫を念のために確認すると、卵3つと鮭の切り身があるから、なんとかなりそうだ。味噌汁はインスタントで我慢してもらおう。
…ここまで考えて、なんで寝床を提供した上に、朝食まで準備してるんだ、と蒔田は自問自答したくなった。しかも、ご丁寧に、パンではなく深山のご所望のご飯を。
頭を冷やさないといけないのは自分の方だ。
これまで付き合った(数少ない)彼女にだって、こんなことはしたことがない。まず、自分のアパートに招くことだって数えるほどしかないし。潔癖症一歩手前のきれい好きのせいでもあるけど、家に招きたい、と思うことがなくて。
家に招いたとしても(大体半ば強制的に)、やることだけやったら(失礼しました)、なるべく長居をされないよう朝は外でとったり。自分のパーソナルスペースを侵されないように気を付けていたのに。
(いや、これは憧れの先輩に対する精一杯のもてなしで。後ろめたいことは、何もない。はず)
そう思い直して、グラスの中の炭酸の抜けかかったコーラを一気に煽った。
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