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いいなぁ、青春だなぁなんて。蒔田は自分の中坊の頃を思い出しながら。それでもいきなり声をかけたらこのご時世、怪しまれるし。ウズウズしながら遠巻きにみていたのだけど。
ある日、ありがちな、出来事だけど。
大きく逸れたボールが蒔田の足元に転がってきた。ようやくチャンスがやってきたと投げ返したのがきっかけで。仲良くなった少年たちと、時たまキャッチボールしたり話をしたりするようになった。
さらに。少年たちの父親つながりで。土曜日にはおじさんたちの草野球チームに、たまにピンチヒッターとして呼ばれてしまったり。
そんなこんなで。たまにボールに触れる機会が楽しくて、この河川敷につい足を運んでしまうのだ。
「ミヤさん。キャッチボール、しませんか」
河川敷におりて
、隣の人に思いきって声をかけた。エコバッグの中から、グラブとボールを取り出す。グラブは両方、高校で使ってたものを手放せなくて実家から持ってきたもの。
「なんで…」
こんなところからグラブが出てくるとは思わなかったんだろう。目を見張った深山に、蒔田はひとつ差し出す。
「久しぶりに。ボール触りたくなりませんか」
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