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そのまま、タオルケットごしの蒔田の背中にくっついて。深山は顔をうずめた。ほのかに体温が伝わってくる。深山の手は冷たいのに、体温は子どもみたいに高い。
こっちを向くな、そう言われてるみたいで。蒔田は、固まったまま動けなくなってしまう。びくりとなった筋肉の動きで起きてるのが気付かれてしまったかもしれない。
「…なぁ、マキ」
深山は構わず、顔を埋めたまま話し出した。
「キャッチボールすげー楽しかった……ありがと」
くぐもった声。
そんな声で、そんな風にお礼なんて言われたら。なんかこっちが感極まってしまう。
これまでの深山が、かかえてきた少なくない葛藤の一端が見えた気がして。蒔田の鼻の奥がツンとする。誘っていいのか、どうか。蒔田自身、キャッチボールを実際に始める直前まで、結構悩んだ。
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