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幹ちゃんこと、高村は、深山の高校の野球部の一個上か二個上かで。あの時代の東高の強力なライバルで。プロに行く選手がいるとしたら、それは高村か深山のどちらかだと。当時はそう評価されていた。
今は、たしか関東の実業団、それも強豪チームで社会人野球をしているはずだ。次のドラフトにかかるかどうか。そんな噂が関西にいる蒔田の耳にまで届いてきてる。
「高村さん‼」
驚いて立ち上がって、まーまーまー座ってよ、と促されて、もう一度着席するが。蒔田の頭の中は混乱しっぱなしだ。柴田とのつながりがまったく見えない。
とりあえずビール、がいいかと思って、三人揃ったら持ってきてもらうように蒔田が頼もうとして。高村に手で制される。
「マサルから、飲めないって聞いてるから。無理しないでノンアルにしとけ、マキは」
柴田から、そんな情報までいってたとは。ますます不思議な関係だけど、それよりも続いて高村の口から出た言葉の方に気がとられた。
「そういや、ユウも飲めなかったよな」
ユウ、といわれて即座にわからなかった。深山の、深山遊人のことだと。
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