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蒔田は柴田のその迫力にあぐらをかいていた足を即座に正座に組み直す。
「あ、はいっ」
このキレのいい返事も悲しいかな、高校の3年間で培ったたまもの。条件反射のようなものだ。高校を卒業しても、今はミヤさんというクッションが間に挟まったりはしているけれど、やっぱり柴田は絶対的な先輩なのだ。
「そんなにかしこまらなくていいから」
高村がまたそんな蒔田の姿勢を、尋問じゃないんだからとやわらかく制して。話し始める。
高村の声は低くてよくとおる声で、大人の余裕を感じさせる。蒔田と二つほどしか変わらないのに。
「いやあのさ。俺たち三人、リトルリーグと部活で一緒だったわけだ。小学校から中学までずっと」
「俺と、幹ちゃん、それとミヤね」
絶妙のタイミングで柴田があいのてをいれる。幹ちゃん、と呼ぶには貫禄がありすぎる高村だけど。
どおりで。年齢とか、学校とかに縛られない、なんか他の人たちが入り込めない関係性だ。目の前にいる二人にしても。電話での会話を聞いた感じでもわかる、柴田と深山にしても。
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