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「あぁ…それで…。ミヤさんと高村さんは、高校も一緒ですよね」
残念ながら蒔田は、高校へは越境して入学したから。そこまでくされ縁といえるようなチームメイトはいないけれど。想像するのはたやすい。
高校の3年間だけでも、一種独特の一体感が育つ。否応なしに。小、中、高と同じチームで試合をしていたら。他の誰にも替えがたい関係になるんじゃないだろうか。
「そうそう。ミヤなんて幹ちゃん追っかけて高校行ったしな。俺の誘い断って。東高の推薦蹴って」
「追っかけて…」
人の懐にはいるのが上手い深山のこと、年上の、しかも高村みたいな人に、なつかないわけがない。推薦の話があったのに蹴ったとなると、その度合いも相当だろう。
蒔田は胸の奥でちりっとしたものを感じる。蒔田の知らない過去のことに、そんな焦りのような感情を覚える。苛立ちにも似た焦燥。なんて、理不尽極まりない。
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