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「いやそれは。お前の学力の問題だろ。うち、お前みたいな馬鹿は入れないから…と、ごめん」
ごめんは蒔田に対してだ。バカでも入れる東高の出身者。確かに、深山たちの高校は学力も疎かにしない、文武両道で有名な一高だ。
スポーツ推薦を受けるにしても、学科でも超えなくてはならないある程度のラインはある。そのラインが、東高は低めで、一高は高め、という話。
「そーそ。だから俺だけ東高なんだけど、二人は一高でさ」
バカと呼ばれたことを気にする風でもなく、柴田はきっといつもの役回りなんだろう、高村の言葉に付け加えていく。
「俺ら初めてのライバル校同士、辛かったよなー」「全然」という会話が目の前で繰り広げられる。
確かに柴田は辛いものがあったのかもしれない、と蒔田は想像する。ライバル高に、幼馴染みが二人いて、しかもその二人はそこの主力ときたら。スパイしろとか、言うようなチームじゃなくても。気にはなる。
蒔田が柴田から、二人の話を聞いたことがないのも、柴田がそのことをひた隠しにしてたからかもしれない。
「そんな俺たちが、何て言っても、やめるの一点張りだったユウが、またなんで野球を始めることになったのか、って話だよ」
高村の言葉にうんうんとうなずく柴田は、マキは一体どんな魔法を使ったの、と真剣な顔で詰め寄った。
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