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だけど何故か蒔田には。
深山が、まいってしまっている気がした。
「寂しくて泣いてないかと思って」
「泣くかよ」
「テレビ電話します?」
「やだよ、きもい」
いつものとおりの会話が、強がりにしか聞こえない。これまでの蒔田ならあえてそれ以上、つっこむのはやめていた。深山が、それを望んでないから。
でも昨日の話を聞いて、蒔田はいつもどおりの態度を貫けるほど、大人じゃあない。
あまりにも知らなすぎた。それは深山が話そうとしなかったから、だけでなくて。蒔田が知ろうとしなかったから。少しは頼ってほしい。柴田や高村に、はるか及ばなくても。
「なんか、ありました?」
「何もないと…電話しちゃいけないのかよ」
いけなくはない。だけど。深山の性格なら、何もないのに二日連続で電話をしたりしないだろう。
男女の---恋人でもあるまいし。
「…」
考え込むように何も言わない蒔田に、しびれをきらしたように。意を決して。
「シバと幹ちゃんに」
深山が口を開いて出てきたのは、やっぱり昨日の二人の名前で。
「なんか言われたかも知んないけど。マキは気にしないで」
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