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「いや、えっと…未満は、含まれないんですよ。何とか以上何とか以下っていうのと違って」
蒔田はあえて少し意地悪く言ってみた。
確か高校の頃ぼんやりと聞いていた数学の授業で、教師がそんなことを言っていた。方程式の大なり小なりとか、ちんぷんかんぷんで、片方の耳からもう片方へ通過するだけだと思ってたけど。少しは頭の中に内容が残っていたらしい。
数学と、この場合は違うのだけど。この理論だと、友達であり続けることはできても恋人になることはない。深山はそんなどうでもいい蒔田のコネタに、ふーん、と興味無さそうに呟いたあと。
「じゃあ。友達以上、恋人以下で」
思いがけないことをそう高らかに宣言した。
蒔田が目を丸くしていると、深山はまた、だって、と続けた。
「だってマキは、これからもずっとそばに居てくれるっていったっしょ?」
さっきいつでも駆けつけると、約束した。一番に呼んでほしいとも言った。
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