アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
”2” 猫と過去の亡霊-3
-
留華くんが、目を剥いて、僕に何かを、叫んで
その人を押しのけ、僕を抱き支えてくれようとする・・・けど
その人は、僕の崩れてく膝を払い、転ばせる
その人の足払いは、軽すぎる僕の身体を、仰向けに、少し遠い場所に放ってしまい
留華くんと、その人が、僕の方へ押し寄せてくる
留華くんより、寸での差で、その人が、早くて
僕の身体に、馬乗りになって、赤く、てらてらの何かに濡れてるそれを
僕の胸に下ろそうとして・・・
・・・ふ、え?
あれ、今、静さんの声が、した・・・?
身を捩った胸の下に、またさっきの熱い感じの鋭い・・・今度は痛みだ
周りがすごく五月蝿くなって・・・なのに、音は、どんどん・・・遠くなって
ぼうっと白い靄で翳んで行く視界に、次々に、コマ送りで
僕の小さな頃からの、思い出が、フラッシュみたいに、巡って・・・
中学のあの、絶望・・・も・・・
どうしようもない、嵐みたいな、あの記憶も・・・
高校の・・・
最高に・・・幸せだった・・・
あああああああああああああああああああ~~
爽くん!爽くん!爽くん!
いや、いやだ・・・
どこ、どこ?
僕、爽くんの・・・声が・・・聞き・・・た・・・・・い、よぅ・・・
イタイ、いたい、痛い!!あああ、もう、ダメ・・・だ・・・
身体から、僕の温度が、どくどくと、流れて行くんだ・・・
緋のそれが、僕から、出て行って、赤い海を作る
鉄錆の強い、悪臭を、そこ等中に、放って・・・
すごく、側のような、でも遥か彼方のような
留華くんの、僕を、泣き叫んで、呼ぶ声と・・・
高らかな耳障りの悪い、不快な笑い声が一緒にしてて・・・・・・
どうし、て・・・?・・・爽、く・・・ん・・・が、いい、のに・・・
聞きたいのは、爽くんの、優しく僕を、朝、起こしてくれる声、なんだ
望んじゃ、ダ、メ・・・なの? か、な
ああ、そうか、爽くんは、
もう、僕の、あれを、見てしまって
・・・、ンバ・・・ハ、・・・フサワシクナイ・・・ 穢シテ、シマ・・・ウ・・・
そして、僕は、闇に、迎えられた
僕には、ずっと、ふさわしかった、この場所に
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
37 / 337