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”8” 目覚めた、ネコ ‐4
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なんだろう、すごく、気になって、怖くなる
会ったら、僕の中学こととか、先生に習ってくるのかな
他にも、僕が忘れてしまった僕のこと、色々聞いて来ちゃうのかな
『何を話して来るんだろう、知ってる?』
「う、ううん。わかんない。友香も、ね?」
「私達に話すわけないじゃない。健くん、変なこと聞くねえ」
誤魔化し方が不自然
百哉さんにも、目を向けるけど、曖昧に笑うだけ
「それ、とね!アイツ、なんかこだわりの缶珈琲あるから、それを買いに行ったみたいよ。
ここの自販機にないって嘆いてたから、だから遅くなってるのよ、大丈夫よ」
阿川さんが、今、閃いたみたいな言い訳をした
きっと、僕のことを、先生に聞いてくるんだなって、確信した
なんて、打って話せばいいか、悩んでしまった僕は、タブレットを手持無沙汰に撫でる
「ねね、健くん、これね、インターネットとかも見れるんだよ。
健くん、本好きでしょう?小説とかも、ほら」
僕の手元から、取り上げて、小田さんが、タブレットに「小説」って話しかけた
な、なにしてるの??
「見て?ん~健くんには、これかな~。勝手なイメージね」
それから、少し操作して、僕にそのページを見せてくれる
すごい!本を開くみたいに、ぺらって動く!
銀河鉄道の夜、宮沢賢治だ~、僕が、大好きな本
「けっこう版権切れの純文とか読めるんだよね、お気に入りにしておいてあげたら?
ちょっと貸して?私のお勧めはこれ~」
今度は、猫の動画を見せてくれた
かわいいなあって、見入ってて、はっと思った
あ、これで見てたら、文字打てないじゃない・・・え~と
「ちょっと~楽しそうだな~なに、見てんの?みんなで?」
画像を見ながら、どうやってお喋りできるか
阿川さんに教えて貰おうと、メモ用紙を取ってもらいたくて
百哉さんの方を向いた逆の方から
すごく涼やかな香りを纏った雰囲気で、爽やかな声がする
ううん
これは、本人から、やわらかく薫っているんだ、多分、香水みたいなやつ
すっと、差し出されるのは、小さな青い表紙のメモ帳と黒地にブルー縁取りの軸の万年筆
「探し物、これかな?使う?」
・・・・・・ど、どうしよう、この人
僕、僕・・・・・・この人、ダメかも・・・しれない
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