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”13” 王子、途方にくれる‐6
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頬を両手で包んで、健を上向かせる。
至近距離なのに、この小さなアクションだけで、うっとり瞼を閉じてくれる。
心持ち突き出された唇にする、バードキス。
どっちのおかげなのかわからないけど、健の唇に潤いが戻ってる。
敢えて、唇で音を鳴らして放してあげたら、俺の首筋に顔を隠されてしまった。
嬉しくて、多分、健も同じ気持ちだろう、
頬を摺り寄せれば、応えるみたいに頬を差し出してくれる。
キュウ~
ん?? 小さい何かの生き物の鳴き声みたいなのが聞こえた。
「もしかして・・・今、お腹、鳴った?」
俺の背に回してた両手が戻って、即座に顔を覆われたので、正解だってわかった。
そうだ!俺も、コンビニの珈琲以来、飲まず食わずだった!
健のお腹の虫の音に釣られたみたいに、俺の腹も盛大に空腹を訴えた。
「マズイ!あと3分前だけど、ルームサービス頼んじゃおう。お任せでいい?」
覆った掌の指の隙間を開けて、悪戯そうな瞳の輝きを見せて、こくんと頷いてくれた。
抱きしめたいけど、腹が減っては何とやら。
野坂の申告に寄れば、健ってば、今日、もしかしたら何にも食ってない筈。
俺のメニューを繰る指の動きと目くばりは、最高秒速だったろう。
2分前でかけたルームサービスの注文受付担当が、声をひきつらせてる様に感じたのは
絶対、確実に、大迷惑な客と思われている、よ、ね? チップ分、伝票に忘れずに書こっと・・・。
俺が電話で注文を終える間も、床のカーペットに、そのまま、ぺたんと座って
俺の一挙手一投足に気を遣る健を、迎えに行き、ベッドへ俺と一緒に腰掛けさせる。
メモを取って・・・・・・あ、スマホがあったんだな、それで話して貰おう。
「健、スマホ、出して?」
ふるふる。首が横に振られる。口をあぐあぐさせてる。
あ~だから、頑張って声出そうとしなくていいよ。
3ヶ月、出してないんだから、声帯がビックリしちゃうだろ。
お、今度はジェスチャーか?小さな四角を指で書いて、バッテンマーク?
「スマホ、壊れた?あ、近い?あ、充電切れ?」
掌と指を合わせて大きなマルを書く。つい微笑んでしまう。
滅多にしない、健のオーケーサインはいつもこっちだったね。
ちょっと傾げる小首の動きが、また、可愛いのなんの。
ダメだ~ もっといっぱい話したいけど。
抱きしめまくりたい!!
俺のぎゅーってのに、健もぎゅーっと抱きついてくれる。
今日はちょっと蒸し暑かったから、俺も健も、汗ばんだ衣服を身に着けてて
あ~あ~、健の匂い~。
すんごい、抱きたくなるんですが・・・えっと、あの、エッチな、方ので。
奥さんは、どうでしょう・・・?確かめてもいいものでしょうか。
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