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”25” ネコを招待する王子 ‐10
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我欲が限界に達する前に、何とかしないと。
そうだ、寝そべってなければ、少しはマシじゃないかな。
「ちょっと、起きてみようか?ね?」
意味合いのある言葉を紡ぐことも出来ぬカオルの身体を支え、首に巻き付けた両腕をそのままに身を起こしベッドヘッドを背凭れにしてみれば……状況は更に悪化する。
俺の腿にM字開脚で乗ったカオルって体勢になった。大判の綿毛布が肩から纏わりついたままだから見えなかったし、敢えて二人を包むようにしてるから目視はしてないが。想像するだけで逆上せそうな絵。
膝に乗った臀部の感触が諸にわかる。
対面座位は、お互いに好きな体位だから、このシチュエーションって覚えがあり過ぎ。俺が着衣で、健の下半身が裸ってのは、何度もあるが故に、この感触が素肌であるのは間違いないってのが、ね。
しかも、然もだ。
生脱ぎ状態放置の衣類の傍らに、洗面所にあった健愛用の手荒れ防止用の白色ワセリンのチューブが蓋開きで転がり出てたりしている。
俺に慣らされた健の身体は、前の刺激だけじゃなかなか昇りつめ難くなってて。独りでしてたなら……ローションもゼリーもベッドサイドチェストに常備してあるが、カオルに入り用とは思わず。
こんな媚態を間接的に知らしむと、俺のムスコくんが黙ってる訳がない。
あ、ヤバい、お尻を、もぞもぞ動かして密着しようとしないでくれ~頼む、頼むカオル~!
酷くなる一方の雷で恐慌状態なカオルに、この願いが届こうとは思ってないが、はぁうっ、って変な声出たじゃんか~。しっかり乗っかられちゃった俺のムスコが元気になって待ちうけるカオルのあの部分にふにゃって触れる。
いっそ、ドンって勢いがついてたいたら、「痛てっ!」ってなって、いいんじゃないかって思ってたけど、じりじりじわじわ動いた臀部は俺のをこすりあげつつ自重をかけて来て、俺の脇腹を太腿でぎゅっと抱き締めちゃったりする。
俺は、俺の脳内で、完全に理性の糸が切れる音を聞いた。
「ね、カオル?怖い?」
声もなくがくがく震えながら頷くのが精いっぱいなカオル。呼び捨てにされたことも気付かない。
「俺が、怖くない世界に連れてってあげようか?」
「こ、わく、なっ、ひ…?ほ、っと、り?」
「うん。怖いこと全部、わかんなくなる世界。どう?」
がくがくがくがく。壊れた首振り人形みたいに首が縦に揺れる。
イクイクって、まるであの法悦に浸る瞬間の健のように、途切れ途切れに切羽詰ってる声が、もう。
俺の感情のブレーキの全てを叩き壊す。
益々しがみ付き、俺の首元ですんすん鼻を啜る音がして。
「さ、くらさっ……の、匂い…濃、く、なっ…」
「好きでしょ、俺の匂い。一人でしちゃいたくなるくらい。ほら、キスしよ?」
唇がぶつかり合い、雷鳴に悲鳴を上げる唇の隙間を、俺の舌が割る。
声が出せなくなる分、丸まり逃げを打つ舌を捕えてやれば、絡まる確かな弾力。
カオルの舌は受け身で治まらずに、俺の中へ引きこまれ、蠢き、応え返す。
俺達は、溺れる人の如く、互いの口内を貪り合う。
カオルの手が俺の両頬に添えられ、離れても離れても、それを許さない。
俺の手は同時に、躊躇し続けた、緩いTシャツを捲りあげ、
尻臀を揉み、臀裂を開き、後孔に指を這わせてた。
案の定、下肢は濡れた気配が濃厚に残ってあり、秘花は少しだけ蕾が綻んでいた。
表面だけがヌルヌルして残ってる様子から推察するに、指を入れることを恐れ躊躇ったんだろう。
コアラ抱きで、狂ったようにキスを繰り返すカオルを抱えたまま、カオルがお供に使用するつもりの物を取りに行き、元の位置に戻る。
「まだ、カオルのは元気になりきれないね。早く落ちておいで。気持ち良くしてあげる」
呼吸を整えたくて離したカオルの唇に、囁いてあげれば、また、熱い口付けが繰り返される。
俺が、誘惑なのか違うのかに戸惑ってる間の、健のモノは項垂れてて。
だからこそ、カオルは求めていないのだから欲を押さえなくてはいけないと、先は色欲と闘った。
こんなに貪るようなキスをし続けてもまだ、微弱な反応も感じられないのが、雷雨の怯えから、カオルを奪取できないようで悔しい。
「触って……お願い…さわ、って」
「ダメ、もっと、自分で盛り上がってくれなきゃ。早く行こう、怖くない世界?」
「も、り…あが、るっ?」
「雷が鳴る前に、カオルがしてたこと、思い出してくれたら、簡単でしょ?」
口内で呟くみたいに、僕が…シテタ、コト?って言ったら、一気に理性が戻ったカオルが頬を染め。
そのタイミングを計ったように、派手な雷鳴が鳴り響く。
また、俺の首に短い悲鳴を上げて縋りつき、震えて、俺の存在を確認する為に開く薄目で
俺とカオルと唾液で濡れた顔を見つめ、また、唇を重ねてくる。
きっと、カオルの脳内は、恐慌状態と興奮状態のカオスになってて。
その混沌に、理性が砕かれつつある。
俺の手指は、カオルの準備品を使い、秘花を惨く散らす為の支度を続けている。
左の中指のひと間接くらいでも自由に出入りできるようになれば、興奮に、快楽が大きな援軍となり、
カオルの恐慌を押し負かせることだろう。直で、時間の問題だろう。
健の身体は半年近くのブランクなぞ怖くない程、俺に抱かれ慣らされている。
……と、思いたい。
閉じちゃうの早いんだよね、家の奥さんのココって。
何時もみたいにイヤイヤ言われないから、すっかり脳内がエロエロモードになっちゃったけど。
急に、賢者が顔を出す、俺の脳味噌の悪い所。こんないい時に、あ~あ。
「ね、カオルくん。嫌だったら……」
「忘れ、たいっ、忘れたい…のォ。雷、っも、健、も……。ねっ、連れてっ…て」
ごめんね、俺はズルいんだ。カオルの意思にしちゃうんだ。こんな風に。
でもさ、すんごい、嬉しくなってる俺って、なんなんだろうね。
……最中、さ? ……健って呼んじゃったら、ごめんね。
せいぜい我慢して、痛がらないようにはしてあげるから、その時は、どうか許して下さい。
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