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77、信じてやるよ
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黄「や、やったッス!赤司っち!」
緑「ふっ…信じていたのだよ…」
赤「試合はまだ終わっていない!今度こそ全員上がれ!」
青「赤司ぃ!!」
青峰が勢い良く走り出し手を上げる。
そして赤司の完璧なパスで青峰にボールが渡った。
赤/緑/紫/黄「きめろぉぉぉぉ!」
ガコン!!!
青「しゃぁ!!」
青峰の綺麗なダンクが決まった。
黛「…くそが…負けねえ…俺は負けねえ!赤司!」
黛がボールを取り攻める。
しかし、
赤「黛さん……あなたもきっとシェアの言いなりになってるんですよね?」
赤司が黛の前に立った。
黛「お前に何が分かる…あの恐怖を…お前に何が分かんだよ!!」
黛が表情を崩しユニホームを勢いよくずらした。
そこにあったのは氷室と同様、2つの穴。
吸血鬼に吸われた後だった。
赤「…っ…すいません黛さん…それでも僕は勝たなくてはならない…!!大切な仲間が…大切な友が!!僕達の助けを待っている!!」
黛「……っ…」
そして赤司がボールを取った。
赤「でもそれはアナタも一緒だ!」
赤司はそのまま緑間にパスを出し、スリーポイントを決めた。
黛「…………仲間………か……」
その後黛が点を取ることはなく試合は終了した。
ーーーーーーー
ーーーー
黄「…勝ったッスね…」
試合に勝つ。
嬉しいことなのに誰も笑顔になんてなれない。
全員この後黛がどうなるのか分かっているからだ。
赤「…黛さん…」
黛「…んな顔すんなよ…勝ったんだろ。もっと喜べばいいんじゃねぇの。」
紫「なんでそんなに冷静なの…」
紫原の言葉で沈黙が続く…
黛「別に…負けは負けだ。終わったこと考えてもしかたねえだろ。ほら、これ宝石。」
黛が持っていた宝石を赤司が受け取った。
赤「…っ…黛さんっ…」
赤司の顔がくしゃりと歪む。
黛「ったく…だからそんな顔すんなっつってんだろ。アイツ助けんだろ。行けよ早く。」
赤「……絶対助けます……テツヤも…黛さんも…」
綺麗なオッドアイが黛をまっすぐ見つめた。
黛「……少しは信じてやるよ。」
少しだけ、ほんの少しだけキセキ達には黛が笑ってるふうに見えた。
時は進む。時間は止まってくれない。
ついに黛の手が砂となって散っていく…。
黛「…時間かよ…今から俺は生死をさまようのか…ったく…めんどくせえ…早く戻ってこいよな…赤司…」
今度は確実に…本当の…黛の笑顔だ…
赤「!!……はい黛さん…」
そして黛千尋の姿は跡形もなく消え去った…。
緑「…あの人なら大丈夫な気がするのだよ…」
緑間がポンと赤司の肩に手をおいた。
赤「あぁ…僕もそんな気がするよ…」
青「赤司…お前のパス…いや、なんでもねえ…」
黄「ふふん、まったく青峰っちは素直じゃないッスねえええ!赤司っち!青峰っちは赤司っちのパスが最高だったって言おうとしたんすよ〜!」
青「んな!黄瀬!てめえ!」
ギャーギャーと騒ぎ始める2人を見て3人はため息をついた。
それは呆れたからだったのか、試合に勝てた安心感なのか3人にも分からなかった。
紫「早く戻ってこの2人止めてほしいよ黒ちん。」
緑「まったくなのだよ。」
赤「ふふ、でもこれが僕達の日常だ。」
赤司が微笑む。
緑「赤司……ふっ、そうだな。」
赤「さて、次の町に行こうか。僕達はテツヤを絶対に取り戻す。負けは許されない。」
少しピリッとした空気が流れた…
次のNo.1プレイヤーは誰だ。
ー2つ目の町クリアー
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