アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
28、気持ち
-
黄「お姫様のエサって…!!」
紫「…黒ちんの……エサ……?」
全員が驚きを隠せない。
青「なんで…なんでさつきが…テツの…?てゆーか…エサってなんだよ…?」
緑「…血のことだろう。」
赤「あぁ。そーなるな…。」
青・黄・紫「!!!」
桃「…私…テツくんが好き!!」
黄「!!な!どうしたんすか!?急に!」
突然の桃井の発言にキセキの全員が驚いている。
特に青峰だ。
口が開きっぱなしになっている。
紫「…峰ちん…顔すごいよ…?」
あまりにも青峰の顔が悲惨だったらしく、紫原がツッコんだ。
桃「…もちろんテツくんと大ちゃんが付き合ってることは知ってるよ?…でも…そう簡単にテツくんへの気持ちを忘れるなんて私には無理だもん…」
桃井の手にギュッと力が入る。
青「さつき…」
青峰の顔が自然と下にむく。
桃「…気にしないで大ちゃん…私はテツくんが幸せならそれでいいから!」
桃井がニコッとほほえんだ。
緑「…だか、それとこれとは何の関係があるのだよ」
黄「…とりあえず空気よもうよ…緑間っち…」
黄瀬がボソッとつぶやく。
緑「なにか言ったか黄瀬」
黄「なんでもねッス。」
地獄耳ッスね…
赤「…なるほど…その気持ちを利用されたってわけだな…」
青・黄・緑・紫「え!?」
桃井の突然の発言からずっと黙っていた赤司が腕をくみ、壁に寄りかかりながら、そう言った。
桃「…そう…なの…。」
桃井が突然泣きだした。
桃「…っ…吸血鬼は血を吸わなきゃ死んじゃうからって…だからエサはテツくんに好意をもっている奴がいいって…あの人、私の気持ちを利用したの…!うっ…私がテツくんを好きだから…テツくんのためにその血を捧げろって…!」
桃井は膝から崩れ落ちた。
桃「私はテツくんが好き…だから私の血なんていくらでもあげる…でも!私は…私の気持ちを利用されたことに本当に腹が立つの…!」
青「あんの野郎っっっ!!!」
再びキセキの全員が怒りをおぼえた。
桃「だから…私断った…。そんなの絶対嫌ですって。テツくんはキセキの皆が守ってくれるからって。…でも、そしたら今度は誠凛の皆をつれてくるって言い出した…!日向さんに木吉さん…伊月さんに火神くん…そんなのテツくんが傷つくに決まってるのに…!!」
紫「…いくら黒ちんが好きでも、黒ちんが傷つくとかはどうでもいいんだね…ホント…捻り潰したくなる…」
紫原の手からは握りしめすぎたせいか、血がポタポタとたれていた。
桃「…むっくん……だから私…引き受けちゃった…そしたら…この回復する力をくれたの…きっと使うべきときがくるからって……それって今だったのかな…」
紫原の手を治しながら桃井はそう言った。
赤「…っ…すまない…桃井…僕は…テツヤを救うことができなかった…本当に…テツヤにも、桃井にもつらい思いを…!」
あの赤司が泣いている…
赤司でさえ余裕がないのであろう。
桃井「…ううん…私は平気だよ?それより…テツくんを…テツくんを救って…!お願い!このままじゃ!テツくん…本当に…あいつのモノになっちゃう…!」
桃井は再び泣きだした。
青「あたりまえだ!ぜってぇ助ける!テツも!さつきも!だから心配すんな!」
黄「そーッスよー!俺達にドーンと任せるッス!」
桃「大ちゃん…きーちゃん…」
緑「当然なのだよ。必ず連れ戻す…!」
紫「絶対に救う…しかも黒ちんだって俺達とお菓子を待ってるしね~。」
緑「菓子は待っていないのだよ!」
桃「ミドリン…むっくん…」
赤「あぁ。そのとおりだ…テツヤを助けて全員で帰るぞ!!」
青・黄・緑・紫「おう!!」
桃「赤司くん……ありがとう!」
全員が覚悟の目をしていた。
絶対に黒子を助ける。そう誓った。
桃「じゃぁ私、もう行くね…エサ(私)がいないと…あいつテツくんに何するか分からないから…」
青「…さつき…ごめんな…」
青峰がまっすぐと桃井を見る。
桃「なんで謝るの?大ちゃん。テツくんを助けるんでしょ?そんな顔しないの!」
桃井は笑ってみせる。
青「……あぁ。ありがとな…さつき…」
青峰もその笑顔にこたえ、少し笑ってかえした。
桃「…うん!…あ。皆もう知ってると思うけど、その白いドアから出ればゲームスタートだよ!」
全員が分かったと言い、ドアの方を向いて進んだ。
キセキ「いってくる!!」
桃井に背を向け、歩いたまま全員が桃井にそうつげた。
桃「!!…うん…うん!!いってらっしゃい!」
桃井は涙をボロボロと流し、皆に手を大きくふった。
桃「…テツくんを絶対に助けてね…」
桃井はキセキの全員の背中を笑顔で見送り、
最後にボソッとつぶやいて姿を消した。
そして白いドアが開くーーーー
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
29 / 86