アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
29、逃げる
-
黒子side
黒「……ぅん…」
目を覚ますと僕はベッドの上にいた。
ここはどこでしょう…?
シ「やぁ。具合はどうだい?テツヤ。」
僕のもとに歩いてくる1人の吸血鬼…
黒「……シェア…さん…」
そーだ…確か僕は…
ん?あれ?体が全然痛くない…首輪はされたままなのに…
シ「ククッ…なんで体が痛くないのかって顔してるね」
黒「!!」
この人は僕の心を読めるのでしょうか…
でも、本当になぜ痛くないのでしょう…
シ「テツヤ。キミが吸血鬼に近づいたからだよ。」
黒「…え…?」
吸血鬼に近づいた…?
黒「どういうことですか…?」
シ「ほら、そこにある鏡を見てごらん?」
僕は机にのっている鏡をそっと覗いてみた。
黒「うわっ!!だ、だれですか…!?」
目はギラギラと赤く、目の下と首に広がる赤い線の模様。
シ「あはは!おもしろい反応だ。今のキミだよ。テツヤ。キミはもう人間じゃない。」
人間…じゃない…
黒「…これが…僕…」
本当にバケモノみたいですね…
シ「でも、まだ2つしか首輪のボタンをつけていないから大丈夫だよ。本当に恐ろしいのは3つ目からさ。」
シェアさんがそう言いながら僕の首輪にふれる。
黒「…やっ…めてくだ…さい…」
僕はパシッとその手をはらった。
シ「……まぁ、今は何もしないさ。当分テツヤにはここにいてもらう。心配するな、ちゃんと世話係はつけるよ。」
そう言って笑顔で僕の頭をクシャクシャとなでると、シェアさんは出て行った。
黒「……皆さんは元気でしょうか…?」
僕のせいで…僕のせいで皆がボロボロになってしまった…
黒「…ごめんなさい…ごめんなさい…」
僕は布団のシーツを強く握りしめ
声をおさえて泣いた。
トントン
突然ドアのノック音が聞こえたため、僕は必死に涙をふいた。
黒「…っ…はい…」
?「テツヤ様。お食事を準備いたしました。」
ドアから入ってきた人はきっと僕の世話係であろう。まるで執事の格好をしていた。
?「本日からテツヤ様のお世話係になります。ミラ・ロマスです。ミラとお呼びくださいませ。」
ミラ…ロマス…さん…
黒「…はい、よろしくお願いします」
ミラさんも吸血鬼だ。
牙がでているし、目も赤い。
ミ「…申し訳ございません。スプーンを忘れてしまいました。取ってまいります。」
黒「え?別に大丈夫ですよ…?」
そう僕が言った瞬間、なぜだかミラさんは目を見開いていた。そして優しくほほえんだ。
ミ「…テツヤ様はお優しいのですね…でも、そういうわけにはいきません。少々お待ちを。」
そしてミラさんが出て行った。
黒「…あ…」
これってもしかしてチャンスなのでは…?
ドアの鍵が開いている…
そして僕はすぐ思った。
逃げなきゃっ!!!!
黒「…ここから絶対に抜け出します…!」
僕はベッドから立ち上がり、ドアをそっと開け
その部屋からでた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
30 / 86