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45、目と吸われた跡
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ピィーーーーー!
再び笛がコートに響く。
ボールは氷室が持ち、今紫原の目の前にいる状態だ。
紫「む…ろ…ちん…?」
紫原は気づいた。
氷室の様子がおかしいことに。
氷「……」
そして気がつくと点が入っていた。
氷「…か…な…ちゃ…も…と……」
なにかブツブツと氷室が何度もつぶやいている。
紫「室ちん!!」
紫原は氷室の肩をひき、こちらに向かせた。
紫「!!」
氷室の目は何もうつっていなかった。
そこに光はなく、ただの操られている人形のような目をしていた。
氷「勝たなきゃもっと。もっと。」
いつのまにか紫原の手を払い
氷室は再びポジションについた。
青「なんだ…?あの目…」
あきらかに第2Qまでの氷室ではない。
紫「……」
紫原は震えていた。
緑「…どうしたのだよ、紫原。」
緑間が紫原の震えに気づき、近寄った。
紫「…あった…」
青・赤・黄・緑「え?」
紫「室ちんに…吸われた跡があった…」
青・赤・黄・緑「!!!」
全員耳を疑った。
だが見ても首に2つの穴などあいていなかった。
黄「…え?首に吸われた跡なんて…見当たらないッスよ…?」
全員が黄瀬と同じことを思っているであろう。
紫「違う…首じゃない…肩に…ちょうどユニホームで隠れてるところに…」
紫原がさっき氷室の肩を掴みこちらを向かせた時、
全員氷室の目を見ていたが紫原は違った。
もちろん目にも驚いた。
だが肩を掴んだとき、たまたまズレたユニホームで肌がチラリと見えた。
その肩から2つの穴がハッキリと見えた。
誰が見てもそれは吸われた跡だと分かるくらいハッキリと。
黄「じゃぁ…あの氷室さんは…もしかして……操られてるんすか…?」
赤「いや、操られてはいない。」
緑「なぜそう言いきれる…?」
赤「試合中吸血鬼がここに来たか…?」
青「いんや、きてねーよ。きてたら俺がぶん殴ってるしよ。」
赤「あぁその通り。ずっと試合をしていたし、ベンチでも何もなくただ座っているだけだった。……ということは、吸われたのは試合前…ってことになる。操られていたら第1Qから様子が変で目にも光がないはずだ。」
紫「けど、第3Qから室ちんの様子がおかしくなったのは確かだよ?」
赤「そう、敦の言うとおりだ。それに関してはまったく確信がない、完全に僕の考えになるが……
…氷室は…
…恐怖を覚えた…」
黄「え!?どーゆーことッスか!?」
赤「おそらく氷室の血を吸ったのはシェアだ。シェアはここの王であり、つねに僕達の試合を直で見れるわけでもない。つまり監督としてベンチに座ることは滅多にないということだ。そこでもし、前にテツヤをかけた試合であったように僕達のペースになったら…………声をかけることができない。」
『…おい、てめぇら!負けたら…殺すぞ…?』
この言葉で相手の選手が一気に豹変した。
赤「とどのつまり、あらかじめ負けたらどうなるか氷室の体に教えこんだ……というとこだろう……実際に今がそうなのかもしれない。氷室は僕達に負けるかもしれないと思っている……そして…負けたらどうなるか…恐怖が頭を支配している……すべて僕の勘だがな。」
全員、赤司の考えに納得がいきすぎて
開いた口が塞がらなかった。
緑「恐るべしなのだよ……。」
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