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47、愛しい人
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氷「ま…けた…?負けたのか…?」
氷室は地面に座り込んだ。
紫「室ちん。あんたの居場所はここじゃないよ……だからさ……また一緒にバスケしよーよ…」
紫原が恥ずかしそうに氷室にそうつげ、手を差し出した。
氷「アツシ……すまない…俺…どうかしてた……あぁ、また一緒にバスケやろう!!」
氷室は紫原の手を掴もうとした。
だがそれはできなかった。
キセキ「!!」
ありえない光景が目の前にうつった。
紫原の手を掴もうとした氷室の手から砂となって散っていくのだ。
もうすでに片腕は無くなっていた。
紫「なんで!室ちん!やだ!消えないでよ!室ちん!」
紫原はいつのまにか涙を流していた。
氷「…俺の…体が消えていく…嫌だ…嫌だよ…アツシ…俺…もっとバスケがしたいよ…消えたくない…!」
だがそんな願いは叶わずどんどん砂となって消えていく氷室の体。
赤「なぜだ!?なぜ!僕達が勝ったからか…?だとしても…なぜ氷室なんだ!?他の4人は消えていかないというのに…!」
そう、氷室以外の人間は普通になにも表情をうかべず立ったままだった。
そしてそのまま去っていった。
黄「まてよ!!あんたら何か知ってるんだろ!?」
黄瀬が追いかけ、怒鳴ったがもうそこには姿はなかった。
紫「室ちん…室ちん…!!」
消えていく氷室の体を掴むことも、抱きしめることもできない紫原はひたすら泣くことしかできなかった。
氷「ごめん…アツシ…俺は…お前には感謝しているよ…だから泣くな……黒子くんを……す…く…え…」
そして氷室は
いなくなった。
紫「室ちぃぃぃん!」
手を伸ばしても氷室はいない。
そして地面には宝石が落ちていた。
キラキラと輝く宝石を紫原はギュッと握りしめた。
紫原はこれほど氷室のことが好きだったということにようやく気づいた。自分の愛している人が目の前からいなくなる。紫原は初めて青峰の気持ちを知ったであろう。
紫「峰ちん……」
青「……あ?…」
紫「…絶対に…黒ちんを助けよう…」
青「紫原……あぁ。」
コートにはキセキしか残っておらず、
あたりはとても静かだった。
しばらくすると
大きな画面がキセキの目の前にいきなりでてきた。
緑「…なんなのだよ…こんなときに…」
そして画面がプツッと音をたて、電源がついた。
そこに映っていたのは……
キセキ「……シェア…」
黒子を攫ったシェア・リアンだった。
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