アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
51、偽物の笑顔
-
血がほしい……
ははっ。血が飲みたい。
誰でもいい。
僕に……僕に血を……!
のどに異常な渇きと熱さを感じていたとき
目の前には見覚えのある女性が立っていた。
なんで…
桃井さん……
なぜ…どうして桃井さんまでこの世界に…?
そいうえば僕はまだ何も教えてもらっていない。
どうして僕達はこんな目にあっているのだろう。
ただ、皆さんとバスケがしたいだけなのに…。
のどは焼けるように熱く、
頭はわれるように痛い。
もう嫌だ。
もう何もかもがめちゃくちゃだ。
そして桃井さんがありえない言葉を口にした。
桃「テツくん…テツくん…私の血を吸って…?」
そう言って僕に近づいてくる。
いつものような桃井さんではなかった。
目は闇に包まれ、
口は不気味に笑っていた。
そして何度も何度も僕の名前を呼んでくる。
嫌だ。来るな。
来ないでください。桃井さん…
キミを…傷つけたくない……
それに
このままじゃ僕は……本当に……
戻れなくなってしまう……
そして桃井さんが僕に抱きついてきた。
目の前には綺麗な白い首。
フワッ……
ドクンッ!!ドクンドクンドクンドクンドクン
甘くて、とてもいい匂いがした。
それと同時に僕の体が血を求めた。
心臓が苦しい。
また潰されるように痛い。
黒「…っ…うっ…ぎぃぃ……ぐっ…」
もうダメだ。我慢の限界。
僕は……もう……
キセキ「やめろおおおおおおお!!」
!!!!!
そうだ…僕には皆さんが…青峰くんが…
いるじゃないですか……
1人じゃない…
キセキの叫びで僕はあの日記を思い出した。
僕もあんなふうになってしまうのではないかと恐怖で…怖くて…怖くて怖くてしかたがなかった。
けど……
僕は…あんなふうにはならない…!
皆で帰るんだ……
また皆とバスケをするんだ…
なのに…
僕が諦めてどうする…!
皆だって僕を追いかけてくれて、ここまできてくれているんだ…だからこの世界に残ってくれているんだ…
黒「…ぃ…だ…いっ…やだ……僕は…血なんて…飲まない……!」
諦めの悪さだけは誰にも負けない…!!!
そして僕は皆さんに心配しないで、と
必死に笑顔をむけた。
青峰くん…抱きしめてほしいです…
今すぐ僕にあの太陽のような眩しい笑顔を見せてほしい。
……助けて……
ホントはそう言いたい。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
53 / 86