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52、ごめんな… ※青峰side
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青峰side
青「テツ…」
俺には分かる。
テツが不安なこと、恐怖でしかたがないこと、
俺達に本当は助けを求めたいということも。
そんな笑顔を見せたって
作り笑いだとすぐに分かった。
テツ…
苦しいよな…痛いよな………ごめんな……
そばにいてやれなくて…
抱きしめてやれなくて…
…ごめんな……
俺は泣くことしかできなかった。
今、画面には苦しそうにしているテツがいるのに
何もできない…何もしてやれない…
そんな自分が悔しかった。
紫「峰ちん…」
紫原だって…目の前で大切な人が消えたんだ…
それなのに……
青「…お前は…強いな…」
俺は紫原が少しまぶしかった。
たくさんたくさん泣いて紫原の目は赤く腫れているのが分かる。
なのにテツを助けようと堂々としている。
紫「……峰ちんだって…強いじゃん…」
青「何言ってんだよ…」
俺なんか…おまえらみてぇに考えることができないんだぞ…?ただただ何も考えないで目の前に映ってるテツを…眺めてることしかできない…
かはっ…まじカスだな…俺…
紫「だって黒ちんを助けたいからこの世界に残ったんでしょ?」
青「……っ」
紫「黒ちんに今何もできないから涙流してるんでしょ?」
青「……」
紫「それって峰ちんが黒ちんを強く強く想ってるってことじゃん。」
青「!!」
紫「それで十分じゃん。……しかも俺…峰ちん達のおかげで室ちんに…勝てたんだし…」
言葉の最後はごにょごにょっと徐々に声が小さくなっていったがしっかりと全員に聞こえた。
青「紫原……」
そうだ…俺はテツが好きだ。
テツの笑顔が、仕草が、声が、全部が大好きだ。
だから戦うって…テツを…救うって決めたんだろ。
何今更うじうじしてんだよ。
赤「そうだぞ大輝。僕達は今改めて感じた。テツヤが大切だからこそ助ける。諦めない限り…必ず…僕達に本当の笑顔が帰ってくる。」
青「赤司…」
やっぱり気づいてたんだな…テツの作り笑顔に。
泣いてばっかじゃ前に進めねぇ。
黄「そーーッスよーーー。なぁに青峰っちらしくなくなってるんすか!そんなんなら黒子っちもらっちゃうッスよ~」
まるでイタズラでもしたかのように黄瀬が無邪気な笑顔で笑った。
青「あぁ?うっせーぞ黄瀬!!…テツは俺のだ…誰にもやんねーよ!」
黄「ひどっ!冗談ッスよ!!!」
緑「ふっ、元の青峰に戻ったみたいだな。黒子だって諦めなかった。俺達も諦めるわけにはいかないのだよ。」
青「あぁ、1秒でも早くあそこに行ってやるぜ。」
テツは血を吸わなかった。
人間であることを諦めなかった。
青「おら!テツ!!!しっかりしてろ!ぜってぇに助けに行くからよ!!俺達を信じて……
待ってろ!!!!」
テツは一瞬ビックリしていたが
コクンと笑顔で頷いて意識を手放した。
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