アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
56、行かない
-
キセキside
赤「…とりあえず…練習場に戻ろう。」
沈黙を破ったのは赤司だった。
緑「…そう…だな…」
そして練習場へ戻った。
紫「…室ちん…」
『死』への恐怖を1番感じていたのは紫原だった。
氷室が死んでいるかもしれない。
そう考えるだけで震えが止まらなかった。
青「…紫原…お前…行ってやれよ…さつきも心配だしな…」
紫「…峰ちん…!?」
もちろん紫原は驚いた。
紫原がいなくなるということは黒子を助けられなくなるということなのだから。
だが、その発言に驚いていたのは紫原だけだった。
赤「…僕もそう言おうと思っていたよ。敦…氷室さんのところに行ってやれ。」
紫「赤ちんまで何言ってんの!?黒ちん助けられなくなるんだよ!?」
紫原は赤司の両肩を掴み何度も揺すった。
だが赤司は何も言わなかった。
緑「やめろ紫原。これはお前以外全員が思っていたことなのだよ。」
黄「ま、そーッスね…大切な人の命が危ないっていうのにそばにいるなって方がおかしいッスよ…」
紫「緑ちんと黄瀬ちんまで何言ってんの…?黒ちんのことどうでもよくなったの!?」
青「んなわけねぇだろ!…けど分かんだよ…テツが大切だ…死ぬなんてありえねぇ…お前だって一緒だろーが…紫原…少しでも好きな奴とはそばにいてぇだろ…」
紫「峰ちん…」
赤「…行くんだ敦…テツヤのことは何とかする…だからお前は何も考えるな…」
紫「……」
沈黙が続く。
正直何もない。紫原がいなくなってからどうすればいいのか何も頭にうかばない。
だが、そんなこと考える必要はなかった。
紫「…行かない。俺は…室ちんのところには行かないよ…。」
紫原の目は冗談なんかじゃなかった。
青「は!?行けって言ってんだよ!こっちは!」
紫「だから行かないって言ってんじゃん!俺はここに残るし、黒ちんを助ける。もう決めた。」
緑「…なぜだ…?大切な奴が死ぬかもしれないんだぞ…いや、もしかしたら死んでいるかもしれないのだよ…それでも行かないと言うのか?紫原。」
紫「理由なんてないし…ただ黒ちんを助けたいから…俺は行かない。それに室ちんは死なないよ。だって室ちんだし。」
黄「…本当にいいすか…?行かなくて…」
紫「うん。室ちんにも黒ちんを救えって言われたしね…。黒ちんとまた食べたいんだよ…お菓子」
赤「…そうか…それが敦の答えなら何も言わないさ。」
青「…そうかよ…」
なぁ…テツ…お前はこんなにもこいつらに大切に思われてんだぜ…俺ら全員で必ずお前を助けに行くから…だから負けんじゃねーぞ………テツ…
紫「…うん…じゃぁさー次の町どこにするー?この町のNo.1プレイヤー倒したしここにいる意味もうないよねー?」
赤「そうだね。どうしようか。」
赤司がブレスの地図を開いた。
黄「じゃぁここでいいんじゃないッスか!?なんかこの町においしいドーナッツ屋があるってポスターが貼ってあったんすよ!ポスターに書いてある町も多分この町の形だった気がするッス!!」
紫「…ドーナッツ…✨」
紫原は目を輝かせ、黄瀬にどんなドーナッツだったか話しを聞き始めた。
それに黄瀬が応えドーナッツについて語りだした。
緑「…お前ら俺達は遊びに来ているわけじゃ…」
赤「まて、真太郎。きっと涼太なりに敦を励ましてるつもりなんだろう。普段は"うるさい"がな。」
青「あぁ。あいついつも"うっせー"けど、あーゆーのうめぇからな…"うっせー"けど。」
緑「…そうだな…いつでも"うるさい"が…そういうところは認めてやるのだよ。」
黄「…聞こえてるんすけど…」
何を話していたのかは紫原っちにドーナッツを語ってて聞こえなかったッスけど…
うるさいのところだけ強調されてて話してても嫌でも聞こえてくるッス…
黄「…何話してたんすか…」
赤・緑「…………」
青「んじゃさっそく町行こーぜー」
黄「無視っ!?」
紫「黄瀬ちん、うるさーい。」
黄「紫原っちまでひどいッスー!!」
全員が黄瀬をおいて外に出ようとした。
黄「な!ちょ!待ってーーーーー!!!」
ー1つ目の町クリアー
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
59 / 86