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60、過去の想い ※黄瀬side
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黄瀬side
『黄瀬くん!』
俺の名前を呼ぶ声が好きだった。
『黄瀬くんナイスです!』
俺にむける笑顔が好きだった。
『黄瀬くん…』『黄瀬くん?』『黄瀬くんっ!』
黒子っちは顔の表情をあまり変えないけど、
たまに変えるいろんな表情が
大好きだった。
けど……
『テツ!ナイスパス!』
『青峰くん!』
どんなに強く想ったって
どんなに強く願ったって
必ず手に入れられるわけじゃない。
青峰っちと黒子っちが中学の時から両想いだったことは知っていた。
俺には入れない隙間があるんだと…
ずっとずっと2人のプレーを見てきた。
笑顔で拳を合わせるのも見てきた。
青峰っちには憧れていた。
それでも黒子っちの隣にいることはうらやましかったし、ずるいと何度も思った。
そして数ヶ月たって離れていく光と影。
俺はチャンスだと思った。
青峰っち…必要ないなら黒子っち俺にちょうだい?
いいッスよね?今度は俺が黒子っちの隣いても。
『黒子っち…好きッス…ずっと好きだったッス…』
『?…僕も黄瀬くんのこと好きですよ?』
『違うッス……恋愛感情で…好き』
『!!』
『俺とつきあってください』
『…ごめんなさい…黄瀬くん…僕は…僕は青峰くんのことが…好きなんです…もうあの頃には戻れないのかもしれませんが…それでも…彼が好きなんです…だから…ごめんなさい…。』
『知ってたッスよ…黒子っちが青峰っちのこと好きだって。』
『……え?』
『だから告白したんすよ。もう忘れよう?黒子っち。もう黒子っちには悲しい思いをしてほしくないんすわ俺。』
『……っ…』
『ゆっくりでいい。俺を利用して?青峰っちを忘れて?俺なら黒子っちから離れたりしない。ずっとそばにいるッス。』
『…ぅ…ふぅ…ひっく…うっうぅ…き…せ…く…』
俺はこのとき黒子っちを強く抱きしめた。
知ってたんすよ青峰っちにたくさんひどいこと言われてたの。
それでも諦めずに青峰っちのところに行ってたのも。
いっぱいいっぱいだったんすよね?
ただそばにいたいだけなのに、一緒にバスケがしたいだけなのに、青峰っちは離れていくばかりで。
『大丈夫ッス…黒子っち…もっと甘えてもいいんすよ?…もう苦しまなくていい。』
『黄瀬くん…』
こうして俺達は秘密の交際をスタートした。
もちろんキスだってしたし、
エッチも数えきれないほどした。
それでも黒子っちは俺を見てくれなくて
頭の中ではきっと青峰っちを想ってる。
でも、それでもよかった。
こうやって黒子っちに触れられるなら…
青峰っちより先にキスもエッチもできたんだから…
幸せだ。
このときは本気でそう思ってた。
でも違った。
黒子っちが泣いた。
何度も何度も泣きながら謝った。
『ごめんなさい。ごめんなさい黄瀬くん。僕は…キミを見ることができないです。』
頭が真っ白になって
心のどこかに穴があいたみたいだった。
いくら黒子っちの初めてを全部もらったって
いくら黒子っちに好きって言ったって
想われていなければ意味がない。
『…別れましょ?黄瀬くん…』
甘い。甘すぎるよ黒子っち。
なんでキッパリ切ってくれないの?
別れてくださいって言えばいいじゃないッスか。
どうして疑問形なんすか?
嫌だって言えば別れないんすか?
俺はなんだかイライラして黒子っちを部室に連れ込んだ。
自分のネクタイを外して黒子っちの両手を縛った。
それから、それから…
俺は黒子っちを犯した。
それなのに黒子っちは何度も謝るから
余計イライラして
俺の全部を黒子っちにぶつけた。
黒子っちが気絶して俺は我に返った。
あのときは最悪の気分だった。
俺はただただ泣くことしかできなくて、
黒子っちの顔さえも見ることができなかった。
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