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66、決意
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黒子side
身体が重い。
身動きが取れない。
なんででしょうか…。
黒「ん……」
目を覚ますと白い天井。
周りを見渡すとシンプルな部屋。
黒「…ここは?……!!」
起き上がろうとしたがそれはできなかった。
両手、両足は片方づつ鎖で繋がれており、
首輪には頑丈な紐がついていて、まったく動くことができない状態だった。
そして目をチラッと横に向ければ水色の髪。
髪が伸びたのだと嫌でも分かった。
腕にも赤い線の模様。
歯にも違和感があり、舌で確認してみれば
見事に尖っている牙。
黒子は自然と涙が溢れた。
黒「…っ…僕は…もう…人間じゃない…ぅ…っ…」
いくら血を飲まなかったからって
この姿を人間とは呼ばない。
…吸血鬼と呼ぶんだ……。
そう考えて静かに泣いていると
ピーーーと音が鳴り、扉が開いた。
?「テツヤ!目が覚めたんだね!…ってあれ?テツヤ泣いているのかい?」
なんて運が悪い…
いつもいつも…来てほしくない時に来る。
黒「…あなたには関係ないです…シェアさん…」
シ「そんなに怖い顔をしないでよ。キミはもう俺の仲間なんだからさ。」
にんまりと不気味な笑顔でこちらに歩いてくる。
黒「あなたの仲間になった覚えはありません。」
そしてベッドの横に立ち、
僕の頬に触れた。
シ「こんな姿になっても…?」
黒「……っ…触らないでください!」
シ「ひどいなー…ふふ…綺麗な模様ができたね…」
そう言ってシェアさんは人差し指をたて、
頬から首に向かって触ってくる。
ツーー……
黒「…んっ…」
シ「お?…テツヤは敏感なんだね…」
もう…嫌です…
僕は再び目から雫をこぼした。
僕ってこんなに泣き虫だったんでしょうか…?
…あぁ…泣き虫でしたね……黄瀬くん…
少し過去を思い出した。
青峰くんの知らない過去…
そんなことを考えているとシェアさんが再び話し始めた。
シ「そういえばテツヤには何も教えていなかったね?…教えてあげるよ…」
黒「……」
僕はすべて教えてもらった。
桃井さんのことも、このゲームのルールも、
今キセキの皆さんがNo.1プレイヤーと呼ばれている者達と戦っていることも…
皆さんが勇者で
僕がお姫様ってことも……
僕のせいじゃないですか…
僕のせいで皆さんがまきこまれて…沢山傷ついた…
シ「まぁ…こんな感じかなぁー」
黒「…皆さんは…元気なんですか…?」
シ「……」
黒「…怪我とかしていませんか…?」
シ「……」
黒「…ご飯はきちんと食べていますか…?」
シ「……」
黒「…皆さんは…ちゃんと…笑顔…ですか…?」
シ「……大丈夫だよ…テツヤ…キミが心配するようなことは何もない。」
それでも……
…僕のせいで皆さんがボロボロになるのは
沢山傷つくのは…もう嫌だ……嫌なんです…
だから…
僕のことを忘れてください……
皆さんだけでも…元の世界に戻って…
キミ達はきっと世界中の人々にバスケでたくさんの衝撃を与えてくれる。
何が起こるか分からないこんな世界に…
僕なんかを助けるために…
いてはいけないんです…
黒「シェアさん…」
たとえ何があったって。
シ「ん?」
僕は皆さんのみかたです。
黒「キセキの皆さんに伝えてください。」
僕はね…
シ「何をだい?」
皆さんの幸せを守れるなら
黒「僕はこの世界に残ります。」
なんだって我慢できるんです。
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