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監督室にて
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監督室、すごそうにいっても、
グランドの中の一画にぽつんとある、
小さなプレハブ小屋が、野球部の監督室だ。
グランドはとても広いが、
色々な部活がこのグランドを利用する。
グランドに入ってすぐ右手に、
3階建ての部室棟があり、ここでみんな部活をするための準備をする。
監督室は部室棟を抜けた向こう側に建っている。
その大きな部室棟を通り過ぎ、
俺はおそるおそる監督室の前にきた。
(なにを言われるんだ……?)
言われそうな事がたくさんありすぎて怖い。
髪型、ピアス、服装…。
直せとか言われるのかな?
でも俺は……。
ガチャッ
いきなりプレハブのドアが空いた。
すごく薄っぺらいドアだ。
「おいシュン、待たせるな。」
監督からプレハブ小屋から顔をだして言った。
「す、すいません!」
俺は慌てて靴を脱いで、監督室に入った。
緊張がMAXに達して
足がブルブルしていた。
「さて、シュンを待ってる間にお茶を淹れたんだ。どうぞ。まあまあ、突っ立ってないで座れよ」
監督室は意外と広かった。
(つっても大人2〜3人寝転べる程度)
こじんまりとした折りたたみ机と
折りたたみ椅子が2脚。
外付けクーラーがついていて、中の温度は適温になっている。
隅っこに小さな冷蔵庫があって、炊飯器も置いてあった。
お茶が二つ、机に置いてあって
その前にごつい男がちょこんと座っている。
「失礼します」
そう言って俺は手前の椅子に座った。
「うん、じゃあさっそくだけど、シュンはなんでマネージャーになろうと思った?」
いきなり確信を突かれてしまった。
「えっと…、」
マコトに言われたから。
やりたい部活がないから。
正直ゆうとこれしかない。
でもそんなこと言ったら殺されそう…
なんかこう、正当な理由を見つけようと思って、俺は黙ってしまった。
……いや、無理だ。
俺には隠し事なんてできない。
もしここで殺されたなら、
仕方ない…、腹をくくろう。
「マコトにやろうと言われたからです。」
「………それだけ?」
「…はい。」
ガハハハ、と監督が笑った。
俺は声の大きさにびっくりしてしまった。
「正直だな〜お前。気に入った」
……へ?
なんか、結果オーライ?
「俺嘘が一番嫌いだから。うんわかったよ。」
監督はそう言って、また笑った。
体育会の人間は本当によくわからない。
でも、嘘つかなくてよかった…。
「野球のこともわかんなくても、一から教えてやるから大丈夫だ。
まああとは……その格好をなんとかしないとな。」
やっぱり言われてしまった。
「あ、あの、監督。俺…、この格好してないと、ダメなんです。」
「ダメ?」
「…っ」
言葉に詰まる。
そう、こんな不良みたいな格好をしているのには理由があるのだ。
俺は過去にトラウマがある。
思い出すのも、気分が悪い。
でも俺は、話さなくちゃいけないと思った。
けど。
けど…。
急に吐き気がした。
ああ…だめだ。
俺は気を失ってしまった。
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